>  今週のトピックス >  No.1423
職種別賃金の状況
●  システムアナリストは賃金増加
  民間企業の賃金の上昇傾向を職種別にみた調査が発表された。同系統の職種であっても、等級別に区分して平均賃金を算出している。
  システムエンジニア関連の職種について見ると、まず6種に区分されている。最も高いのが、システムコンサルタント(システムアナリスト)であり、所定内賃金で492.0千円、次にプロジェクトリーダー・システム管理運用者であり430.4千円、システムエンジニア(SE)が313.5千円、アシスタントSEとプログラマーが同額の265.9千円、オペレーターがもっとも低く、251.3千円となっている。大きく分けて、システムコンサルタント(システムアナリスト)、プロジェクトリーダー・システム管理運用者が賃金の高いグループであり、それ以外が低いグループというように二分されている。
  前年調査と比べて、システムコンサルタント(システムアナリスト)が17.4千円増、プロジェクトリーダー・システム管理運用者が0.9千円減、SEが8.2千円減、アシスタントSEが15.9千円減、プログラマーが1.5千円減、オペレーターが3.7千円増となっている。人手不足傾向でありながら賃金が下がっているのは、派遣労働者へのシフトが進んでいるからとされている。逆にシステムコンサルタント(システムアナリスト)は高度な専門職であり、雇用の需給が逼迫しているという。それが賃金増に結びついている。
●  企画職と事務職では格差あり
  営業・販売関連職では、セールスマネージャーT(または大規模店長)は519.3千円、セールスマネージャーU(または中規模店長)は461.2千円、セールスマネージャーV(または小規模店長)は404.4千円、セールスマネージャーのアシスタントが339.5千円、営業職T(新規営業を含む)が317.8千円、営業職U(ルートセールス)が296.2千円となっている。マネージャークラスとそれ以外で大きく差が開いている。前年度調査の結果とは大きな違いはない。
  事務・企画関連職は、経営企画職系列では、リーダーが519.3千円、経営企画職では395.8千円、アシスタントでは326.5千円となっている。前年度比ではアシスタントが13.1千円増加したほかは、横ばいである。事務職ではリーダーが413.1千円、事務職が270.2千円、アシスタントが223.1千円であり、経営企画職系列に比べ、見劣りがする。前年度比ではリーダーが9.3千円減、事務職は7.7千円増加している。
  賃金は全般的には増加傾向にあるとはいえ、職種別に見ると爬行性があることが分かる。
出所:(財)社会経済生産性本部「2006年度能力・仕事別賃金実態調査」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.04.23
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