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会社の通信簿「決算発表」が本格化―5期連続増益が確実
●  5月15日がピーク
  上場企業の2007年3月期決算の発表が4月下旬から本格化している。決算はいわば会社の通信簿で、この1年間の業績が良かったか悪かったかが一目で分かる。また08年3月期の業績予想も出すので、今後1年間の経済や景気の判断指標にもなる。6月末の株主総会に向けて、5月中旬にはほぼすべての上場企業の決算が出そろうため、株式市場としても5月は極めて重要な1カ月となる。
  日本企業は「年度」に合わせて3月期決算を採用するところがほとんどだ。3月末で決算を締め、その後2カ月以内に決算発表をしなければならない。経理・財務に優秀な人材がそろっている大企業は、ゴールデンウィーク前の4月末に決算を済ませてしまうところが増えている。
  中小の上場企業は4月までに決算の集計が間に合わないところが多く、ほとんどの企業が5月中旬にずれこむ。東証の発表によると今年のピーク日は5月15日で、この日に約300社が決算を発表する。昨年まで5月後半の金曜日がピーク日の恒例だったが、東証が45日以内に決算発表をするよう企業に要請し始めたため、この日に集中することになった。
●  08年3月期も増益の公算
  上場企業の決算発表は四半期ごとに行われる。3月期決算企業の場合、4−6月の第1四半期、9月期中間決算、4−12月の第3四半期、そして3月期本決算となる。第3四半期の集計結果からみると、07年3月期の上場企業全体の経常利益は5期連続で増益になる見通しだ。大手証券会社やシンクタンクの予想では、10%前後の経常増益を確保したもようで、企業業績は堅調な状態を維持している。
  08年3月期は6期連続増益に挑戦する年度となる。これまでの最高は1976年から80年の5期連続で、これを上回ると最長の増益局面となる。大手証券会社やシンクタンクでは07年3月期と同様10%前後の増益を予想するところが多い。こうした業績予想の集計は5月中旬に大手新聞社が掲載する。
●  各企業とも予想は慎重
  企業が出す業績予想の最近の傾向は、一言でいうと「慎重」。最初に保守的な数字を出しておいて、第1四半期、中間決算と進むうちに上方修正していく方が、株式市場に「業績が上向き」という印象を与えることができるからだ。逆に「強気」の業績予想を出しておきながら、下方修正を迫られるようだと、株価は暴落することが多い。こうした傾向を踏まえると、筆者は上場企業全体で微増益の予想となるのではと考えている。その場合、株価も堅調に推移すると思われるが、仮に減益予想になると、株価は大きく下落することもあり得る。
2007.05.01
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