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新入社員の意識調査
●  新入社員の意識は安定志向へ
  (財)社会経済生産性本部は、新入社員のビジネスシーンでの対応や考え方に関する意識調査を毎年継続実施している。このたび2007年春に入社した新人の調査結果が発表された。
  同じ新入社員であっても、入社年によって意識やその回答結果が異なるが、注目すべき点としては、ここ数年新入社員の意識において安定志向が強まっているということである。
  まず給与体系について成果主義的か年功的かのどちらを望むかを尋ねると、「業績・能力主義賃金」をよしとするのが61.9%であり、絶対数としては高いが2002年調査では73.3%であった。その後、一貫してその回答率は低下している。一方「年齢・経験を重視する賃金」を好むのが38.1%である。これも2002年の26.7%から一貫して増加している。
  同じように昇進・昇格についても「仕事の能力で昇格に差がつく会社」を望むのは65.6%だが、2002年は74.6%でその後低下傾向にある。「経験や年齢で平均的に昇格する会社」は34.4%、2002年は25.4%でこちらは増加傾向にある。
  2002年はいうまでもなく就職氷河期にあたっており、景気の回復・採用数の増加とともに新入社員の意識は保守化の傾向にある。
●  終身雇用の希望も高まる
  転職志向についても収まってきた感がある。「条件の良い会社があればさっさと移る」という設問に対して。「そう思う」は25.7%であるが2002年は37.5%だった。「そう思わない」という回答は2002年には62.5%だったが、74.3%と高くなっている。
  「今の会社に一生勤めようと思う」は45.9%、2002年には27.3%であり、終身雇用志向が高まっている。「きっかけやチャンスがあれば転職したい」は34.4%、2002年には50.5%でありこれも減少している。
  就職先を選定する優先順位についても、「やりがい」は不動の1位であり、65.0%が選択している。しかし2002年の73.0%からは少なくなっている。逆に「規模」が0.7%から8.1%へ増加、「知名度」も0.6%から5.4%へ増加しており、安定志向が確実に増えている。
  同じように「若いうちならフリーターも悪くない」という設問には、「そう思う」は25.7%であり、2002年の37.5%から減少している。「そう思わない」は2002年の61.5%から74.3%へ増加している。
出所:財団法人社会経済生産性本部「2007年度 新入社員意識調査」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.05.07
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