>  今週のトピックス >  No.1455
住宅ローンに対する意向
●  将来の返済能力減が大きな不安
  住宅金融公庫(2007年4月からは住宅金融支援機構に組織変更)では、2006年7月に今後5年以内に住宅取得を予定している方に、持ち家や住宅ローンに関するアンケートを実施した。
  住宅を取得する動機は、「早く持ち家を取得したいから」がもっとも多く32.5%、(子供の就学・親との同居など)「必要に迫られた」が24.2%、「今後住宅取得が難しくなりそう」が18.2%、「頭金などの準備ができたから」が13.0%と続いている。今も「持ち家志向」は根強いようである。また必要に迫られて家を購入するというのは、やはり賃貸住宅では不十分ということで、日本の賃貸住宅はまだまだ質が十分ではないということの表れといえる。
  住宅ローンを返済する上で、気になることをあげてもらうと、「教育・介護など住宅ローン以外の支出増」が37.3%ともっとも多い。「金利変動による返済額の増減」が27.6%、「リストラなど収入減による返済への影響」が26.7%と続き、将来の返済能力に不安が大きいようだ。
●  変動金利ローン希望はわずか7%
  そのため、住宅ローンをどのように設計するかについても、「頭金なしで全額を借入」るのは14.7%、「親の支援や将来の返済能力増加を期待して可能な限り借入」るのは8.3%といずれも少なく、「頭金を準備し、無理なく返済できる範囲で借入」るのが49.6%、「将来の生活設計を考慮し計画的に借入」るのが17.8%と、多くの回答者は無理のない借入と計画的な返済を考えている。
  それを反映して住宅ローンのタイプは、全期間固定型を望むのが71.3%、固定期間選択型が21.8%であり、変動型を希望するのは7.0%に過ぎず、計画的な返済が可能な固定型を望んでいることがわかる。
  返済途中に金利上昇するリスクに対しては、「変動金利と固定金利を併用する」が26.0%、「長い期間のローンを借りない」が17.9%、「固定金利への変更・借り換え」が12.9%の順で、リスクへの備えが考えられている。返済途中に返済額が増えた場合の対応は、「一部繰り上げ返済する」が42.5%、「借り換え」が29.3%となっている。
●  ローンに関する多様な情報源を希望
  実際に住宅ローンを組む際にほしいサービスとしては、「返済シミュレーション」が76.8%、「家計診断・資金計画相談」が40.3%、「専門家によるアドバイス」が31.7%、「繰上げ返済や借り換えの相談」が31.4%、「商品内容が比較できる情報源」が26.0%となっており、さまざまな情報を元に適切なローンを組みたいという意向が強く表れている。
出所:(独)住宅金融支援機構「住宅ローンに関する顧客アンケート」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.06.18
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