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政治経済活動への女性参加状況、日本は42位
●  日本の女性の社会参画は国際的に見ても低水準
  2007年版男女共同参画白書によると、女性が政治・経済活動、意思決定に参加できるかどうかを測る「ジェンダー・エンパワーメント指数」(GEM)では、日本は75ヶ国中42位にとどまっていることが分かった。今年の男女共同参画白書では、平成15年以来2回目となる「国際比較でみた男女共同参画状況」を特集しており、世界と比較した日本の男女共同参画の現状が浮き彫りになっている。
  日本の女性の社会参画は、国際的に見ても全般的に低い水準にある。女性労働力率は41.4%で、米国(46.4%)や他の比較対象国と同様の水準だったが、子育ての時期に当たる30歳代前半で低下するM字カーブを示しており、諸外国と比べるとまだまだ女性の社会参画が進んでいないようである。
  女性の社会参画を進めるには、支援策が必要不可欠である。実際、女性の社会参画の進んだ諸外国を見ると、仕事と子育ての両立支援策等、女性の就労に関する環境が整備されていること、仕事と生活の調和が図れていること、女性に活躍の場を提供するための積極的な取組を進めていることなど、条件が整っている国が多くなっている。
●  国会議員、管理職への女性の登用が進まない日本
  日本では、女性が管理的職業従事者に占める割合が低い。就業者についての女性の割合は、日本も諸外国とほぼ同じ水準を示しているが、管理的職業従事者に占める女性の割合は、10.1%と欧米諸国と比べて極端に低く、フィリピン、マレーシア、シンガポールなどのアジア諸国にも大きく引き離されている。
  次に、国家公務員に占める女性の割合を見てみると、日本は20.0%となっており、さらに、「上位の役職」に占める女性の割合は1.8%で、比較12ヶ国中、データのないフィリピン、マレーシアを除き、いずれも最下位である。また、女性の国会議員について1970 年から2006 年までの変化を見てみると、全ての国において増加しているが、その増加の時期やスピードに差が見られ、女性の占める割合の最も高いスウェーデンの47.3%に比べると日本は9.4%と1割にも満たず12カ国中11位である。近年、女性の社会参画がだいぶ進んできている日本も、このように欧米諸国と比べると、まだまだ遅れている感は否めない状況である。
●  ワーク・ライフ・バランスによる環境整備
  男女間の賃金格差でも日本は、韓国、マレーシアと並んでいまだ大きい状況である。女性の参画が企業の経営に好影響を与えている可能性や、仕事と生活との調和のとれた環境が仕事に対する満足感をもたらすことを指摘する調査結果も報告されている。男女が仕事にも家庭生活等にもバランスよく参画できるような環境を整備することにより、男女ともに自らが希望する生き方を選択し、活躍できる社会を構築することが必要であろう。
出所:内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書 −男女共同参画の現状と施策−
(http://www.gender.go.jp/whitepaper_entire-index.html)
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2007.07.02
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