> 今週のトピックス > No.1468 |
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小規模企業共済に加入しよう |
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![]() ● 一石二鳥の「小規模企業共済」
個人事業者や中小企業経営者なら、是非知っておいて頂きたいのが「小規模企業共済」である。これは個人事業者及び中小企業等の役員向けの退職金共済制度である。従業員向けには中小企業退職金共済、いわゆる"中退共"があるが、これには事業主は加入できないため、この「小規模企業共済」が用意されている。
この小規模企業共済のメリットは二つある。 一つは、掛金を支払った時にその掛金全額が所得控除できることである。この効果は非常に大きく、掛金月額を最大の7万円で加入した場合には、年間84万円の所得控除が受けられる計算になる。仮に、所得税と住民税を合わせた実効税率が30%であると仮定すると、84万円×30%=25万2千円も税金が少なくなるのである。 また二つ目のメリットとして、共済金を受け取った場合に一定の要件を満たせば、退職所得として多額の退職所得控除があり、税率も1/2に圧縮される。 このように「小規模企業共済」は支払った時と受取った時の2回メリットが受けられる一石二鳥のお得な制度なのである。 ![]() ● 制度の概要
では、簡単にこの「小規模企業共済」の概要を説明しておこう。
まず加入資格があるのは、常時使用する従業員(家族を除く)が20人以下の個人事業主と会社役員等である(ただし、商業やサービス業では5人以下)。現時点でこの要件を満たさない方は残念ながら加入することはできないが、加入後に従業員が増加し、この要件を満たさなくなったとしても、契約は継続できる。 毎月の掛金は、1,000円から70,000円までの範囲で、500円単位で自由に設定することができる。掛金は加入後に増減が可能だが、減らす場合には一定の要件が必要であるため、当初は無理なく支払いができる金額から始めることをお勧めする。 そして、以下のような場合に該当すると、共済金や解約金を受け取れる。 ■個人事業をやめたとき、役員が法人の解散や疾病、負傷によりやめたとき ■65歳以上で15年以上掛金を払っている契約者から請求があったとき ■任意解約したとき など 上記の解約事由の内容次第で、退職所得か一時所得に該当することになる(ただし、共済金を分割で受け取る場合には雑所得)。退職所得に該当した場合には、前述のメリットが受けられるし、一時所得に該当した場合でも、税率は1/2に圧縮されるため、いずれにしても有利である。 ![]() ● 実際に試算してみよう
ここで気になるのが、掛金と共済金とのバランスである。いくら掛ければ、いくらもらえるのかというところをざっくりとでも知っておきたいところだ。そんな時には以下のアドレスにアクセスしてみよう。
小規模企業共済制度 加入シミュレーション http://www.smrj.go.jp/skyosai1/cgi-bin/syo-sisan-calc.cgi 掛金と受取見込年月を入力すると、簡易な試算結果がHP上で確認できる。自分の課税所得を入力すれば、節税額も分かるようになっている。ちなみに5万円の掛金を30年間掛け続けた場合(掛金合計1,800万円)で入力してみると、65歳以上で受け取れる共済金は2,105万9千円となった。 尚、6月18日の日本経済新聞に、小規模企業共済の資金運用不調について書かれた記事が掲載されていた。確かに運用面でのリスクはあり、100%安全であるはずはないが、現状での税制上の優遇措置を考えると、十分加入検討の余地はあるのではないだろうか。 ![]() (村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
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2007.07.09 |
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