> 今週のトピックス > No.1472 |
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インターンシップ制度 |
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![]() ● インターンシップ制度の普及
インターンシップとは、「在学中や卒業直後の学生が、自分の専攻や将来のキャリアと関連した就業経験を、一定期間指導を伴い行うこと」である。
このインターンシップ制度は、企業と人材のミスマッチング・離職率の高さが社会問題化される中でスタートした。また、文部科学省、経済産業省、厚生労働省や各経済団体は、インターンシップを積極的に推進しており、現在では、行政・大学・企業を中心にインターンシップを取れ入れるところが毎年増加している。 ![]() ● メリット
インターンシップを導入する企業側のメリットとしては、採用による人材ミスマッチングが解消でき離職率を抑えることができる。また、優秀な人材を採用することが難しい中小企業やベンチャー企業にとっては、企業イメージを高めることができ、会社の内容を直接学生に訴えることができる人材獲得の窓口としても効果的である。
次に学生側のメリットとしては、働く=就業経験を通じて、働くことの意義や大切さを感じることができる。具体的には、複数の会社を下見することができ、自分が本当にこの会社で働きたいのか、社風はどうなのか、従業員の生の姿を知ることもできる。 ![]() ● 会社側の税務上の注意点
ここで気をつけたいのが、学生に支払う報酬の内容についてだ。このインターンシップ制度は、労働力を目的とするアルバイトとは異なり、あくまでも長い社会人生活における就業経験であることだ。
つまり、アルバイトの場合は、労働基準法で最低賃金が決められているが、インターンシップの場合は、通常は報酬がないことが多い。あったとしてもわずかである。また、企業によっては、報酬+実費交通費、実費交通費+現物弁当、報酬+実費交通費+現物弁当、交通費一律○○○円など、いろいろ設定できる。 そこで税務上の取扱いだが、報酬分は給与となり、実費交通費や現物弁当は交通費や教育訓練費として費用処理してなんら問題はないが、交通費一律○○○円として支給するようなケースは給与扱いとなる場合があるので注意が必要だ。 給与扱いとなると、会社は源泉徴収義務が生じてくるが、インターンシップの期間に応じ、源泉徴収の仕方が異なる。「給与所得の源泉徴収税額表の使用区分」には、月額表と日額表があるが通常は月額表が有利だ。2週間程度ならば日額表丙欄を使用し、それより長期間ならば、月額表の甲欄を使用することができる。月額表甲欄を使用する場合は、必ず「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう必要があることを忘れずに。そうでないと、税務調査で源泉徴収もれを指摘される恐れがある。 また、消費税においては、人件費は不課税となり、交通費や教育訓練費等は課税となり仕入税額控除の対象となる。 ![]() ● 学生側の税務上の注意点
会社が支払う報酬は、受け取る学生からするとアルバイト報酬と同じ給与所得となる。
仮に学生がアルバイトを掛け持ちでしていたり源泉徴収されていない場合は、年末調整又は確定申告の対象となることもある。 また、親の扶養に入れるかどうかもしっかり子供に確認しておこう。そうでないと、後日税務署から子供が扶養となれる103万円の収入を超えていると指摘があると、親は修正申告し、所得税と住民税を追加納付することとなる。自営業者ならば、国民健康保険料にも影響があるので注意されたい。 ![]() (今村 京子 社員税理士、マネーコンシェルジュ税理士法人)
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2007.07.17 |
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