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土地の価格は一つではない!
●  地価の種類
  土地は、「一物四価」とも「一物五価」ともいわれている。よく耳にするのが公示価格や路線価、固定資産税評価額であるが、これらは独自に評価されているのではなく、基本的に公示価格を100として路線価を約80、固定資産税評価額を約70という目安に決められているようだ。ちなみに先に公表のあった公示価格では、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)及び地方ブロック中心都市を中心に上昇し、地方では下落幅は縮小しているものの依然とした下落傾向とのこと。
  そこで、8月1日に国税庁から平成19年度の路線価が公表される予定だが、その前に「一物五価」について頭を整理しておこう。ちなみに、公示価格、基準地価、路線価はホームページで閲覧できるが、固定資産税評価額は各市町村でしか閲覧できない。
●  時価
  時価は、実際に売買される価格のことで需要と供給のバランスにより決まる。
●  公示価格
  公示価格は、全国の都市計画区域に選定した標準地の毎年1月1日時点の価格を毎年3月下旬に国土交通省が公表する。公示価格は一般の人が土地取引や資産評価をしたり、公共用地を収容する場合の適正な補償金の算定の基準に活用され、最も時価に近い指標と考えてよいだろう。
●  基準地価
  基準地価は、都道府県が不動産鑑定士の評価を参考に毎年7月1日時点の価格を毎年9月に公表する。基準地価は、公示価格とともに土地取引の目安として活用されるが、公示価格が都市計画区域内を対象とするのに対し、基準地価は区域外の林地も対象としている。
●  路線価
  路線価は、国税庁が毎年1月1日時点の市街地の街路の値段を毎年8月上旬に公表するもので、税理士などが相続税や贈与税の計算をする場合に活用する指標である。
  具体的には、相続が発生したときに被相続人が保有していた土地に接道している道路の1m2あたりの路線価に、土地の面積を乗じたものを、その土地の評価額とするのである。なお、平成19年に発生した相続は平成19年の路線価を用いることとなる。
  ここで、1月に相続が発生した場合の相続税の申告期限は10ヶ月後となり8月の路線価の公表を待っていると、申告期限まで2ヶ月しかないがあわてることはない。8月まで待たずとも、公示価格×80%でおおまかなその土地の評価を知ることができる。また、路線化は公示価格より細かく値段が付されているため、路線価が判れば路線価を0.8で割戻したものが時価に近いのではないかとおおまかな予測もできる。
●  固定資産税評価額
  固定資産税は、各市町村が1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋、償却資産の所有者に対し、その固定資産の価格(固定資産税評価額)を基に課税する税金である。この固定資産税評価額は、3年毎に見直されており、最近では平成18年に見直しがあり、次回は平成21年となる。
  なお固定資産税評価額は、各市町村によって取扱が異なるが、4月から一定期間、所有者など利害関係者のみが固定資産税台帳を各市町村で縦覧することができる。
(社員税理士 今村 京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2007.07.30
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