>  今週のトピックス >  No.1486
2007年分路線価は+8.6%と2年連続で上昇
●  地方圏も15年ぶりに下落が止まる
  2007年分の路線価及び評価倍率が1日、全国の国税局・税務署で公表された。路線価等は相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となるもの。
  全国約41万地点における標準宅地の平均額は、1平方メートルあたり12万6千円で、前年を8.6%(1万円)と大幅に上回り、14年ぶりに上昇した前年に引き続き2年連続で上昇した。三大都市圏だけでなく、地方圏も昨年の▲5.7%から横ばいとなり15年ぶりに下落が止まった。
  圏域別にみると、東京圏が1平方メートルあたり30万2千円で前年から9.6ポイント増の+13.1%、大阪圏が16万1千円で6.4ポイント増の+8.1%、名古屋圏が10万8千円で7.0ポイント増の+9.1%と、三大都市圏はそろって大幅に上昇した。
  地方圏は昨年の▲5.7%から5.7ポイント増の0.0と上昇し、一昨年あたりから鮮明となった東京や大阪、名古屋など都市部を中心とした地価回復傾向が、ようやく地方にも波及し始めた様子がうかがえる。
●  12都道府県で上昇、4県で横ばい
  都道府県別の平均路線価の変動率をみると、東京都が+17.1%と、3年連続で上昇したのを始め12都道府県で上昇、4県で横ばいとなった。
  また、下落している31県においても、下落率が拡大したのは大分県(0.3ポイント拡大の▲4.8)のみで、26県で縮小している。下落率が10%以上であったところは昨年に引き続きなく、最も高い下落率は香川県の▲6.1%と低水準となり、地方の下げ止まり傾向が強まっている。
●  最高路線価は東京「銀座中央通り」が22年連続でトップ
  都道府県庁所在都市の最高路線価では、20都市で上昇した。前年の15都市から新たに岐阜、和歌山、松山、大分、那覇の5地方都市でも上昇に転じた。また、昨年は上昇率が20%を超えたのは東京、名古屋の2都市のみだったが、今年は9都市に増加。特に大阪は40.3%と40%を超える上昇率となっている。
  最高路線価の全国トップは22年連続で東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」。1平方メートルあたりの路線価は2,496万円で、前年に比べ+33.3%(624万円)と7年連続の上昇となった。
  以下、大阪・北区角田町「御堂筋」(696万円、+40.3%)、名古屋・中村区名駅1丁目「名駅通り」(616万円、+33.9%)、横浜・西区南楽1丁目「横浜駅西口バスターミナル前通り」(526万円、+35.9%)、福岡・中央区天神2丁目「渡辺通り」(512万円、+29.3%)と続く。
  なお、2005年分から2007年分までの路線価図等については、国税庁ホームページ上にも掲載されており、会社や自宅にいながら閲覧することができる。
国税庁ホームページの路線価図等は↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/
(浅野 宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2007.08.06
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