>  今週のトピックス >  No.1495
女性社員の活用
●  進む女性の新卒採用
  労働力供給が逼迫するにつれて、女性社員の採用・活用が積極化している。
  厚生労働省は、3年ごとに女性の雇用状況について調査しており、このたびその結果がまとまった。
  まず新卒女性の採用の状況をみてみよう。2006年度に新卒採用を行った企業において、「男性のみ採用した」企業は36.9%、「女性のみ採用した」企業は17.4%、それ以外は男女ともに採用している。これを企業規模別に見ると、5,000名以上の企業では、「女性の採用数が全体の20%未満」という企業が41.5%、「20%から40%未満」が24.6%と女性の採用割合が低い企業が全体の2/3と多い。逆に100名から300名未満規模の企業では、「男性のみ採用」が33.0%と多い一方、「女性を40%以上採用」した企業も53.1%にのぼり、バランスがとれている。
  「男性のみを採用した」企業にその理由を尋ねると、「女性の応募がなかった」が55.2%、「採用枠が一人だった」が22.5%、「女性の応募者が採用基準に達していなかった」が12.1%などとなっている。
●  子育て中の女性採用、コース別雇用管理も増加傾向
  以前は採用を敬遠されていた子育て中の女性についても、全体の38.6%が採用している。前々回の平成12年度調査では18.9%だったが大幅に増加している。
  コース別の雇用管理(職種、転勤の有無など)についても、年々増加している。調査を始めた平成元年ではコース別雇用管理を行っている企業は2.9%に過ぎなかったが、今回調査では11.1%と増加している。5,000名以上の企業では55%以上となっている。また業種別では金融・保険業がその割合は圧倒的に高い。女性を採用・活用していくには、一律の人事制度ではその多様性に対応できないということであろう。
●  女性管理職の割合は6.9%の低水準
  つぎに女性の昇進については、女性の管理職を有する企業の割合は、66.6%であり、前回調査の62.5%から4ポイント上昇している。管理職とは係長以上をいう。業種別では、医療・福祉業、飲食・宿泊業、金融・保険業において女性管理職のいる割合が高い。一方、管理職全体に占める女性管理職の割合は6.9%とまだまだである(前回調査では5.8%)。役職別に見ると、係長相当職では10.5%と比較的多いが、課長相当職では3.6%、部長相当職では2.0%とまだまだである。
  女性の管理職が少ない理由を企業にたずねる(複数回答)と、「必要な知識・経験・判断力を有する女性がいない」が46.9%、「勤続年数が短いため管理職になるまでに退職する」が30.9%、「管理職昇格に必要な在職年数を満たさない」が27.9%などとなっている。今後女性の勤続年数が延びていけば解決する問題といえる。
出所:厚生労働省「平成18年度女性雇用管理基本調査」(平成19年8月)
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.08.27
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