> 今週のトピックス > No.1531 |
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中小企業の福利厚生の現状 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 慶弔・災害見舞金はほとんどの企業で実施
厚生労働省が毎年実施している「就労条件等総合調査」は毎年調査項目が異なるが、平成19年度は福利厚生制度の実施率が調査された。福利厚生に関する調査には日本経団連の「福利厚生費調査」があるが、日本経団連会員企業などの大企業を中心とした調査となっている。一方、同省の調査は30名以上の従業員規模5,000社以上を対象としているため、中堅・中小企業も含む調査となっている。
前年の平成18年度の就労条件等調査では、福利厚生費用を調査した。その調査もあわせて一表としたのが下表である。なお参考として、日本経団連「福利厚生費調査」のうち、従業員規模499名以下の企業における福利厚生費の結果も併載した。なお就労条件等総合調査と福利厚生費調査は福利厚生制度の定義が一致していないため、比較する場合は参考程度となる。 この表によると実施率のもっとも高い制度は、慶弔・災害見舞金であり、90%以上の企業で実施している。費用は一人あたり月額300円前後となっている。 ![]() ● 健康管理や財形支援も実施
次に法定超の健康診断費用である。労働安全衛生法で定められた以上の検診を行う際の費用である。7割の企業で法定超の検診を実施しており、費用額はこれも300円/人・月前後である。
次に実施率が高い制度は、財形貯蓄制度である。これは過半の企業で実施している。財形貯蓄制度自体は会社の費用負担が発生しない制度であるが、会社が奨励金や補助を出している場合があるため、100〜200円/人・月の福利厚生費が発生している。 以下、実施率が高い制度としては、住宅手当・家賃補助、社員食堂・食事手当、資格取得・自己啓発支援、育児休業・介護休業(や短時間勤務)の育児・介護休業法の規定を超える制度の実施があげられる。 ![]() ● 人材確保・成果発揮に役立つ福利厚生へ
人材獲得競争が激しくなるなかで、各社とも福利厚生の充実が進められている。また今いる従業員の成果発揮を支援する福利厚生も必要である。限られた福利厚生費をどの福利厚生制度に配分するかが重要なテーマとなる。
この表を見る限り、住宅手当・家賃補助、社員食堂・食事手当、財形貯蓄が人材確保につながる制度と位置付けることができ、成果発揮支援制度として、健康診断の法定超検診、資格取得・自己啓発、育児休業・介護休業の法定超規程が位置付けることができる。限られた福利厚生費を有効に活用しようという工夫が垣間見える。 ![]() 【図表 中小企業における福利厚生制度の実施率と費用(単位:円)】
出所:就労条件等総合調査(平成19年、18年),日本経団連「福利厚生費調査(2005年度)」
異なる年度の調査を一表にしたため、同じ福利厚生制度について、実施率と費用額は一致していない項目がある。
「その他」に含まれる制度は実施率欄については不明、金額欄については従業員の送迎費用、持ち株援助、共済会拠出金、保育施設費等をいう。
![]() 出所:厚生労働省「平成19年就労条件総合等調査結果の概況」等
![]() (可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー) |
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2007.10.29 |
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