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税金の納付方法
●  国税の滞納状況
  申告所得税等の国税は、納税者自ら申告し、その税額を自ら納付書に書き入れて納付する申告納税方式が採用されている。この国税が納期限までに納付されず、督促状が発付されたものを滞納という。
  国税庁レポートによると、平成17年度は税務署に申告された国税などの課税額(徴収決定済額)約51兆3,700億円に対し、年度内に納められた税金は約50兆9,900億円であり、その収納割合は99.3%であった。そして、その差額である滞納税額約3,800億円は、平成18年度以降に督促等の対象となっている。ちなみに平成17年度末時点の滞納税額合計は約1兆7,844億円である。
●  滞納圧縮への税務署の取り組み
   税務署は、国税が納期限までに納付されず、督促状による督促を行い、さらに必要に応じて文書や電話などにより納付を促してもなお納付されないときは、財産の差し押さえなどを行っている。昨年からインターネットで差し押さえ品を競売し、売却代金を国庫に納付している。
  国税庁としては、大口・悪質滞納先に対して厳しく取り組んでいるのはもちろんのことであるが、消費税滞納先に対しても優先的・重点的に取り組んでいる。その理由は、消費税納税義務者である事業者は預かり消費税と支払い消費税との差額を国庫へ納付するだけであり、消費税の最終負担者は消費者であるからだ。
●  税金の納付方法
  ここで、税金が滞納ということにならないように税金の納付方法を説明しよう。
(1)振替納税
  申告所得税、個人事業者に係る消費税および地方消費税については、納期限までに所轄税務署に「口座振替の依頼書」を提出すると、指定した金融機関の預貯金口座から振替納税ができる。
  わざわざ金融機関等の窓口に出向く必要がなく、振替日が本来の納期限よりも約1カ月 遅いというメリットがある。(平成19年度の所得税確定申告分は平成20年4月22日、同年度分の消費税および地方消費税確定申告分は平成20年4月24日)
  ただし、振替納税は税目ごとに利用を選択できるため、所得税について振替納税を利用していても消費税および地方消費税について手続きをしていない場合は、振替納税とはならないので注意していただきたい。なお、贈与税については振替納税という制度はないので間違えないようにしていただきたい。
(2)電子納税
  電子納税は、金融機関の提供するインターネットバンキング、モバイルバンキング、ATMからペイジーを利用して国税を納付する制度である。この電子納税を利用する場合には、税務署に届出書を提出する必要がある。
(3)現金納付
  これは、金融機関又は税務署の窓口に納付書と現金を持参し納付する方法である。しかし、この現金納付は金融機関等の窓口の営業時間に行く必要があるため、納付する意思があるにもかかわらず、ついつい納付し忘れとなっていた納税者もいたのではないだろうか。
  そこで、平成20年1月21日から新たにコンビニエンスストアでの納付が可能となった。このコンビニエンスストアでの納付対象となる国税は、金額が30万円以下であり、税務署から送付されたバーコード付きの納付書を使用する必要があるなど一定の条件があるが、身近に税金を納めることができるのは納税者にとっては使い勝手がよい。
●  滞納をしない方法
   特に消費税は、預かり税金であるにもかかわらず運転資金に流用してしまいがちだ。消費税は金額も多額になる恐れがあることから、毎月試算表作成後に貸借対照表にある「仮受消費税の金額―仮払消費税の金額」を消費税準備預金として積み立てておくことをお勧めする。
(今村京子 社員税理士 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2008.01.15
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