>  今週のトピックス >  No.1583
好調な学生の就職内定率
●  内定率は前年同期より2ポイント向上
  企業業績が好調を維持するなか、大学生などの就職内定率が高い水準となっている。2007年12月1日現在での就職内定率(2008年4月入社予定)の調査が行われ、それが裏付けられた。
  大学生の内定率は、81.6%(2007年4月就職者の同期内定率79.6%、2006年4月就職者77.4%)。実数でみると、大学卒業予定者数53.8万人に対して、就職希望者数は40.5万人、うち内定者数が33.1万人である。
  男女別では、男子の内定率が81.6%(前年同期80.9%)、女子が81.4%(同78.2%)である。男女の内定率は、就職環境が厳しかった時期は男女差が大きかったものの、次第に差がなくなっており、今回の調査ではほとんど差がない。また国公立では85.8%(前年同期83.1%)、私立は80.3%(同78.6%)であり、国公立優位の内定率となっている。ただし最終的な就職率は国公立96.4%、私立96.3%とまったく差はない。
●  都市部と地方との内定率格差が縮小
  このように最終的な就職率も年々上がっており、2007年4月の就職率は、男子で96.6%、2006年は95.5%、2005年は93.3%、2004年は93.0%と年々改善している。女子は2007年が96.0%、2006年は95.0%、2005年は93.8%とこれも急速に改善している。今年の内定率は前年の就職率には及んでいないが、最終的には、それを上回るものとされている。
  以前は地域によって内定率に差があったが、それも解消しつつある。2006年12月時点では関東地区は83.1%と最も高かった。近畿地区82.7%、中部地区78.4%となっているが、北海道・東北地区73.3%、中国・四国地区72.2%、九州地区73.8%と地域間の格差が目立っていた。2007年12月時点では関東83.7%、近畿84.3%、中部79.7%、北海道・東北76.9%、中国・四国79.3%、九州76.4%と地方の内定率が上がっており、地域差が少なくなった。
●  大学と短大卒の内定率格差も縮小
  一方、大卒に比べて苦戦が伝えられていた短大卒の内定率も、改善している。短大卒業予定者数は8.4万人(2007年は9.3万人)、うち就職希望者数は6.9万人(同7.3万人)であり、内定者数が4.2万人(同4.0万人)である。内定率は60.7%で大学に比べて劣るものの、前年同期の54.2%からは6.5ポイントも改善している。採用拡大の波が短大卒にまで波及していることが分かる。
  短大の最終的な就職率は、2007年就職者では94.3%(前年は90.8%)であり、十分高い水準にはある。
  出所:厚生労働省 「平成19年度大学等卒業者就職状況調査(平成19年12月1日現在)」
(可児 俊信 (株)ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所、千葉商科大学会計大学院教授、CFP(R)、米国税理士、DCアドバイザー)
2008.02.04
前のページにもどる
ページトップへ