>  今週のトピックス >  No.1616
税務調査の基礎知識
●  税務調査シーズン到来
  確定申告が終わると、税務署は待ってましたとばかりに、税務調査を開始する。実際、弊社にもすでに税務署からいくつか連絡が入っている。
  税務調査というのは、何も後ろめたいことがないとしても、受ける側としては何とも気が重いものである。
  今回は、特に税務調査を受けたことがないという方に向けて、税務調査の基本的な流れや一般的な注意点などを簡単にご紹介していきたい。
●  調査を受けるまでの準備
  まず税務調査の第一報は、通常、顧問税理士に連絡が入る。そこで、調査を受ける日程を決めることとなるが、ここはある程度、柔軟に対応してもらえるので、書類準備に時間がかかりそうであれば、多少日程を先にずらしてもらうことは可能だ。
  このときに、調査官の担当部署を確認しておきたい。それを確認することによって、その調査が一般調査なのか、特別調査なのかがおおよそ分かる。
  一般調査は、通常3〜5年ごとに行われる定期的な調査であるが、特別調査はそれとは別に、何か特定の理由があって行われる調査であることが多い。
  調査当日までに準備すべきことは、まず過去3年分程度の総勘定元帳等の書類の準備、調査場所の確保等である。書類に不備がないかどうかもざっとはチェックしておきたい。金庫等も確認されることがあるので、残高のチェックや整理等もしておこう。
●  調査初日〜昼から本格調査
  会社の規模などにもよるが、一般的な中小企業の場合、だいたい調査は調査官1〜2名で1〜2日間程度という日程が多い。
  当日、朝10時になると、調査官がやってくる。初日の午前中は、雑談を含めながら、社長から会社の概要をヒアリングする、という作業になることが多い。そのときに、大まかな業務内容、取引の流れ等が確認される。会社パンフレット等があれば、スムーズにそのあたりを説明できるだろう。
  昼になると、調査官は昼食に出る。一緒に食事に誘ったり、弁当を渡そうとしても、調査官は原則断るので、そのあたりの準備は不要である。
  昼からは、本格的に調査が始まる。ここからは経理担当者の出番である。「この支払の請求書を見せて下さい」、「この契約書はありませんか」、「これはどういう取引なのでしょうか」といろいろ質問される。中には即答できず、調べてみないとどうしても思い出せないことなども出てくるだろう。それは時間をかけて、調べてから返答しても全く問題ない。初日の質問であれば、次の日に返答しても良いだろう。
●  調査最終日〜結論は持ち越し
  そうこうしているうちに、初日は終わり、2日間の調査であれば、2日目も午前中はだいたい初日の続きの作業となる。午後になると、調査官もまとめ作業に入り、15〜16時頃から、調査の総括が行われる。
  ただ、この場で調査が終了することはほとんどなく、その日は疑問点、修正箇所の提示のみに留まることが多い。調査官から宿題をもらうこともあるので、後日税務署と何度か修正箇所のすり合わせ等を行い、最終的に税務署の指摘に納得すれば、修正申告書を提出することで、調査が終了する。
  税務調査の現場を何となくイメージしていただけただろうか。未経験の方の不安が少しでも和らいでくれれば幸いである。
(村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2008.03.31
前のページにもどる
ページトップへ