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子育て後の女性の再就職
●  結婚後の出産まで勤める女性が増加
  (独)労働政策研究・研修機構は、子育てが終わった女性の再就職のプロセスについて調査した。
  まず、子育て前の勤務先を退職した理由としては、結婚が45.8%、出産が30.4%となっている。結婚または出産を理由とする退職が8割近いことになる。ただ結婚、出産という退職理由の割合は女性の年代によって異なっており、現在40代となっている女性では結婚を理由とするのが48.6%、出産が28.9%であるのに対して、現在30代の女性は結婚が37.1%と少なく、出産が37.5%と多くなっている。若い世代ほど結婚を機にする退社「寿退社」は少なくなり、妊娠・出産まで勤め続けるようになっている。
●  再就職先はメディアで探す
  子育てが一段落して再就職をする時期における末子の年齢は、回答者全体の平均では4.8歳であった。これも女性の年代によって異なり、40代以上の女性では末子年齢は平均で5.5歳であるのに対し、30代未満の女性では2.2歳と大きく隔たりがある。若い女性ほど子どもが小さいうちから働き出すようになっている。
  再就職にあたっては、子どもの預け先を探す必要がある。探す必要がなかったという回答者は48.5%いるが、半年以上前から探した回答者は20.4%、1月以上前から探した回答者は31.1%である。預け先を探すのは一苦労である。
  再就職先を探した方法(複数回答)は、求人広告やチラシ、ハローワーク、派遣会社などで探したという回答が65.6%、家族や知人などが職場を教えてくれたとする回答が38.2%、元の職場から声がかかったとするのが14.0%、家族や親族の仕事を手伝うこととしたのが6.5%となっている。メディアを用いて探す割合が最も高く、人縁での再就職も4割に近いことになる。
●  正社員での再就職は4人に1人
  再就職理由としては、「経済的な理由が発生した」という回答が39.7%と全体の4割近い。知人や家族から誘われた、または頼まれたとする回答は29.2%である。以前から再就職の時期を決めていたという回答も多く15.0%、広告やチラシを見てやる気になったのは7.1%となっている。自発的に再就職するというより、周りの事情で再就職に踏み切ることが多いようだ。
  子育て後の初めての再就職における雇用形態はさまざまで、もっとも多いのがパートであり、57.9%と6割近くを占める。正社員での再就職は23.9%と4人に1人、契約社員・嘱託社員は5.7%、アルバイト4.9%、派遣2.1%などが続き、正社員での再就職はなかなか難しいことがわかる。
出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「子育て後の女性の再就職 課題とその解決」
(可児 俊信 (株)ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所、千葉商科大学会計大学院教授、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2008.04.28
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