>  今週のトピックス >  No.1639
職種別賃金の現状
●  システム関連職種ではSE等は賃金増
  民間企業の賃金は横ばいが続いているが、それを職種別にみた調査が発表された。同系統の職種であっても、等級の高さ別に区分して平均賃金を算出している。
  システムエンジニア関連の職種についてみると、まず6種の区分されている。もっとも高いのが、システムコンサルタント(システムアナリスト)であり、所定内賃金で479.6千円(前年調査では492.0千円)、次にプロジェクトリーダー・システム管理運用者であり430.6千円(同430.4千円)、システムエンジニア(SE)が324.5千円(同313.5千円)、アシスタントSEが279.5千円(同265.9千円)とプログラマーが270.1千円(同265.9千円)、オペレーターがもっとも低く、255.6千円(同251.3千円)となっている。大きく分けて、システムコンサルタント(システムアナリスト)、プロジェクトリーダー・システム管理運用者が賃金の高いグループであり、それ以外の低いグループというように二分されている。前年調査結果と比較して、システムコンサルタント(システムアナリスト)が12.4千円減、プロジェクトリーダー・システム管理運用者が0.2千円増、SEが1.1千円増、アシスタントSEが13.6千円増、プログラマーが4.2千円増、オペレーターが4.3千円増となっている。賃金の高い職種で賃金が伸び悩んでいる一方、SEなど作業者レベルの職種の賃金が高まる傾向にある。多くの企業において、新規のシステム開発がSE不足で滞る事例が多く、作業者レベルのマンパワーが求められているようである。
●  事務企画職は全般的に賃金上昇
  営業・販売関連職では、セールスマネージャーT(または大規模店長)は518.9千円(前年519.3千円)、セールスマネージャーU(または中規模店長)は467.3千円(同461.2千円)、セールスマネージャーV(または小規模店長)は404.9千円(同404.4千円)、セールスマネージャーのアシスタントが340.8千円(同339.5千円)、営業職T(新規営業を含む)が324.5千円(同317.8千円)、営業職U(ルートセールス)が308.1千円(同296.2千円)となっている。マネージャークラスとそれ以外で大きく差が開いている。前年度調査の結果とは大きな違いはない。前年との比較では、セールスマネージャーTは0.4千円減と横ばい、セールスマネージャーUは6.1千円増、セールスマネージャーVは0.5千円増、セールスマネージャーのアシスタントが1.3千円増、営業職T(新規営業を含む)が6.7千円増、営業職U(ルートセールス)が11.9千円増と下位の職種ほど、賃金が増加する傾向にある。
  事務・企画関連職は、経営企画職系列では、リーダーが525.7千円(同519.3千円)、経営企画職では404.9千円(同395.8千円)、アシスタントでは332.6千円(同326.5千円)となっている。リーダーが前年調査比では6.4千円増、経営企画職では9.1千円増、アシスタントでは6.1千円増となっている。いずれの職種も賃金が増加している。
出所:(財)社会経済生産性本部「2007年度能力・仕事別賃金実態調査」
(可児 俊信 (株)ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所、千葉商科大学会計大学院教授、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2008.05.19
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