> 今週のトピックス > No.1684 |
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寄附金税制の新しいスタイル〜ふるさと納税〜 |
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![]() ● ふるさと納税がスタート!
ふるさと納税とは、個人が地方公共団体に5,000円以上寄附することにより、所得税および住民税の計算において寄附金控除の適用を受けることができるという新しいスタイルの寄附金税制である。
前提条件として、所得税および住民税が課税されている納税者が寄附することによりメリットがあり、本来納付すべき所得税および住民税から一定額の税金を控除してもらえるというものだ(もともと税金が課税されていない人については、純粋に寄附する行為だけで終了となる)。 ![]() ● ふるさとの概念
ふるさと納税をしようとする個人は、まず自分の中で寄附したい「ふるさと」を選択することから始まる。ここでいう「ふるさと」とは、住所地でもよし、自分の生まれ故郷でもよし、学生時代だけを過ごしたところでもよい。また、災害があった地域に役に立ちたい、と考えるのもよい。自分で納税地を選択できるというのが、ふるさと納税制度が寄附金税制という形式を採用した大きなポイントでもある。
![]() ● 寄附金控除の申告の仕方
平成20年にふるさと納税をする場合であれば、平成21年3月15日までに寄附金の領収書等を添付して所轄税務署に確定申告書を提出する。レアケースとは思うが、住民税の確定申告書のみを提出する場合には、住所地のある市区町村に平成21年3月15日までに提出することになる。ちなみに所得税については平成20年分で精算されるが、住民税については平成21年分で精算されることになる。
![]() ● ふるさと納税をした場合
所得税の寄附金控除額は、確定申告書に記入する際自分で計算する必要がある。住民税のほうは下記を見ていただけたらわかるように計算が複雑であるが、この計算は地方公共団体側が確定申告書を基にしてくれるのでご安心していただきたい(平成21年の住民税で調整される)。
ここでふるさと納税した場合の税額控除額を計算してみよう。 例)給与収入700万円で夫婦子2人、所得税率10%、住民税所得割額293,500円で40,000円 をA市にふるさと納税したケース(総所得金額等については考慮していない) (1)所得税の寄附金控除額 (40,000円−5,000円)×10%=3,500円 (2)住民税の寄附金控除額 イ.住民税の基礎控除額 (40,000円−5,000円)×10%=3,500円 ロ.住民税の特例控除額 90%−所得税率10%=80% (40,000円−5,000円)×80%=28,000円≦上限の29,350円(注) (注)(2)ロは住民税所得割額の1割が上限である→293,500円×0.1=29,350円 ハ.イ+ロ=31,500円 (3)所得税と住民税の寄附金控除額の合計額 3,500円+31,500円=35,000円 上記のケースでは、結論は寄附した40,000円から5,000円を引いた35,000円が自分の税金で調整される(つまり減税される)ということになる。 さて、このふるさと納税であるが、各都道府県・市区町村で誘致合戦が繰り広げられている。なかには、金額の多寡により粗品までもらえるところもあるようだ。粗品はさておき、日本人になじみの薄い寄附という行為が文化として根付くことができれば、良い事だと思う。 ![]() (今村 京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
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2008.08.04 |
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