>  今週のトピックス >  No.1685
「ワークライフバランス」の名前も内容も知らない、約6割
●  名前も内容も理解しているのは約1割に過ぎない
  内閣府は7月24日、「仕事と生活の調和に関する特別世論調査」の結果を発表した。 「ワークライフバランス」については、メディアで取り上げられることが多いが、その認知度については未知数なところもあり、今回の調査はその実態について明らかになる調査ともいえる。今回の調査結果は、国としても今後の施策の参考としていくと思われるが、各企業の経営者も注目しておく必要がある。
  調査結果によると「ワークライフバランス」の名前も内容も知っている人はわずか、9.8%。「名前は知っているが、内容までは知らない」が26.6%。「名前も内容も知らない」は、60.1%となっている。まだまだ認知度が低いといわざるを得ない「ワークライフバランス」であるが、内閣府を中心に、さまざまなイベントや全国会議などが開催されており、認知度アップに向けてまさに今動いているところである。徐々に国民にも認知されていき、社会が変化していくことを願いたい。
●  仕事を優先したい人は、前年に比べて大幅に減少
  「仕事」「家庭生活」「地域・個人の生活」の関わり方についての質問(希望に関すること)に対しては、「仕事を優先したい」人は前年の11.2%から5.3%に減少。「家庭生活」と「地域・個人の生活」をともに優先したい人は 前年の9.7%から14.4%と増加。
 実際(現実や現状)に仕事を優先している人は前年27.7%から22.2%と減少し、「家庭生活」と「地域・個人の生活」をともに優先している人は、前年の7.2%から9.0%に増加。
 これらの結果から判断できることは、確実に仕事優先という考え方の人が少なくなり、効率よく仕事をして他に時間を費やしたいと思っている人が増えているということである。
 今後もこの傾向は続くと思われるが、企業側もこのような結果をふまえて時代の流れに対応した施策の導入、人事戦略の構築などを検討していくべきだろう。
●  ワークライフバランスの認知度アップのためにすべきこととは?
  「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」とは、国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できることと内閣府では定義している。ワークライフバランスの実現のためには、単に仕事の時間を減らせばいいということではないし、また仕事と育児の両立のことだけを意味しているものでもない。まだまだ認知度が低い中で大企業だけでなく、中小企業にワークライフバランスの考え方を浸透させるにはどうしたらいいのかも国は真剣に考えていかなければならない。もちろん国民一人一人の意識改革が必要なのはいうまでもないが、各自できることからまずは行動を起こしてみることが重要ではないだろうか。
出所:内閣府 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する特別世論調査」
http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/h20/h20-wlb.pdf
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、 庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2008.08.04
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