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2008年の学卒者初任給の状況
●  大卒初任給は2,000円近い引き上げ
  日本経団連が毎年調査している新規学卒者の初任給に関する実態調査の2008年新卒分を報告した。
 学卒初任給は学歴によって異なり、大学院卒が224,742円(2007年が223,131円、2006年は221,824円)と前年比0.54%増、技術系はやや高く227,223円である。大学卒では事務系が206,969円(同205,074円、同203,230円)と前年比0.58%の増加となった。技術系は208,812円と事務系よりやや高い。
 高卒では事務系が161,403円(同161,273円、同169,469円)で前年と比べて0.60%の増加、現業系は163,288円である。 大学院卒、大学卒とも初任給は1,000円以上アップしており、特に大学卒は 2,000円近く引き上げられているのが注目される。逆に高卒は伸びが抑えられている。
●  初任給凍結企業はいまだ半数以上
  逆に初任給を凍結している企業は減りつつある。凍結企業がもっとも多かったのが2003年で全体の91.4%とほとんどで凍結していた。その後凍結企業の割合は下がり、今年は52.0%(2007年は56.3%)と2社に1社の割合まで減っている。昨今、新卒学生獲得が過熱気味である一方、凍結企業がいまだ半数以上あるのは景気の回復が全業種に及んでいないということか。
 大学卒事務系の初任給額を産業別に見ると、最高が「石油・石炭製品」の234,700円で、平均より27,000円以上高い。次に高いのが「新聞・出版・印刷」の224,891円となっている。それ以外に飛び抜けて高い産業はない。最低が「金融・保険業」の190,325円であるが、この業種は入社後、大幅に増加するとされている。
●  企業規模と初任給額は反比例
  企業規模別に大卒事務系の初任給をみると、企業規模が小さいほど、初任給を高くしている。3,000名以上規模では207,277円だが、1,000〜2,999名で205,370円、500〜999名で206,176円、300〜499名で208,110円、100〜299名で210,628円と企業規模と初任給は反比例している。
出所:(社)日本経済団体連合会「2008年3月卒新規学卒者初任給調査結果の概要」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2008.09.22
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