>  今週のトピックス >  No.1712
女性にまつわる税金を知る!その1
●  女性と税金
  キャリアウーマン、専業主婦、共働き等、女性はライフスタイルに応じ係わる税金が異なる。知らないばかりに税金の払いすぎになっていることがあるかもしれない。そこで、基本的なことばかりだが、ぜひ知ってもらいたいことをまとめてみた。
●  退職をした場合
  結婚を機に退職する女性は減少しているが、やはり妊娠・出産という大きな出来事を機に育児に専念するため仕事を辞める方は多いのだろう。そこで、年の途中で退職した場合は、会社は年末調整をしてくれないので、自身で確定申告し税金を精算する必要がある。生命保険料控除などがある場合、還付となる可能性が高いので面倒でもする価値はある。
 また、退職した場合で年間収入が103万円以下であるのなら、夫の扶養に入ることができ、夫は配偶者控除38万円を受けることができる。たとえ103万円を超えていても141万円以下であれば、夫は配偶者特別控除を3万〜38万円受けることができる。
●  出産に係わる給付金は非課税
  健康保険に加入している本人や配偶者又は雇用保険に加入している本人が出産した場合に、一定の手続きをすることにより給付金をもらうことができる。
(健康保険)
  • 出産育児一時金→本人又は配偶者が健康保険等に加入している場合、35万円がもらえる(平成21年1月から3万円引き上げられ、38万円になる見通し)
  • 出産手当金→会社勤めをしている女性が、出産のため会社を休み、その間会社から給与の支払がない場合には、出産手当金として1日につき標準報酬日額の2/3相当額を一定期間もらえる
  • (雇用保険)
  • 育児休業基本給付金→一定の要件を満たした被保険者(男女を問わない)が子供が満1歳(一定の場合は1歳6カ月)になるまで育児休業を取得し、その期間給料が一定水準を下回った場合に、育児休業給付金(休業開始時の給料の30%※(1)×約10カ月※(2))をもらうことができる

  • ※(1)上限126,540円
    ※(2)一定の場合は延長あり
  • 育児休業者職場復帰給付金→育児休業基本給付金受給者が、職場に復帰して6カ月働いた場合に育児休業者職場復帰給付金(休業開始時の給料の20%×育児休業手当金を受けた月数)をもらえることができる
    (注)平成19年9月30日以前に育児休業を開始された方は10%


  • これらの給付金は、所得税法上はすべて非課税となっている。また、たとえ妻が多額の給付金を受けていても、他に所得がないのであれば夫の扶養に入ることができる。
    ●  医療費控除
      出産は病気ではないので、基本自費扱いとなり、医療費がかさむ。そこで、国から一部補助する意味合いで先述の出産育児一時金が支給される。
     医療費は基本年間10万円を超えると医療費控除の対象となる。もちろん出産に係る費用も医療費控除の対象となるのだが、出産にかかる医療費から出産育児一時金35万円や生命保険会社等から支払を受ける入院費等は控除しなければならない。うっかり控除し忘れていると、後日税務署から指摘され追加で税金を支払うことになるので注意していただきたい。
     ただし、出産手当金については、出産による休業手当であるため、医療費から控除する必要はない。
    ●  子供はどちらの扶養に入れたらいいのか?
      夫婦共働きの場合、子供をどちらかの扶養に入れることができる。夫の健康保険に入っているから、所得税法上も夫の扶養に入らなければいけないということはない。わが国の所得税は超過累進税率を採用しているため、所得の多い人ほど所得税率が高くなっている。そのため所得の多い人の扶養に入れる方が節税に役立つ。尚、どちらの扶養に入れるのかは毎年変えることもできるので覚えておいて欲しい。

    次回は、離婚にまつわる税金、贈与、相続等についてお送りする予定である。
    (今村 京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
    2008.09.22
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