>  今週のトピックス >  No.1738
11月4日から税務相談の集中化を全署で実施
●  全国の税務相談室分室は閉鎖
  国税庁では、これまで税務相談室や税務署が個別に対応していた電話による税務相談について、国税局(所)ごとに設置する「電話相談センター」で集中的に受け付ける取組みを2006年以降進めてきたが、11月4日から全国524のすべての税務署に拡大して実施する。
 同センターでは原則として税目別の相談体制をとるため、均一で質の高い、迅速な回答が可能となることから、回答までの待ち時間の短縮など、納税者の利便性の向上が期待できそうだ。
 電話相談センターは2007年までに全国税局(所)に設置されており、ほとんどの国税局(所)は電話相談の集中化が完了し、税務署の税務相談室分室は閉鎖されている。もっとも、分室へかかった電話でも、大阪、広島局では10月末まではセンターへ自動転送していた。また、東京局では、一部の署で税務相談分室を設置していたが、10月24日に分室をすべて閉鎖した。
●  一般的な相談はすべてセンターで対応
  来月11月4日からは、税務署にかけられた電話は、すべて自動音声により案内され、用件に応じて番号を選択する。具体的には、一般的な相談は電話相談センターにて国税局(所)税務相談室職員が回答するので、番号「1」を、税務署からの照会に関する問い合わせや個別的な相談などは、税務署にて回答するので、番号「2」を選択する。
 センターでは税務相談官が対応することになるが、税務署に回された場合には、問い合わせをした担当者、あるいは担当部門につながる。ただし、税務署での面接相談は、事前予約制とし、必要書類等の確認などを行いながら、責任ある回答をすることとしている。
 例えば、東京局管内では、東京上野署、神田署にセンターが設置され、人員は約140人で対応する。また、関東信越局の場合は、さいたま市内の同庁舎内に設置し、人員は70人を予定している。全国のセンターに配置される税務相談官は約600人。利用できる時間帯はこれまで同様に、月曜日から金曜日の8時半〜17時までを予定している。
 ちなみに、2007年度の面接・電話による相談は、約364万7,000件にのぼっている。
●  税理士からの相談は税理士会内部で対応が基本
  今後は、個別の相談については事前予約が必要になるので留意したい。事前予約制は一般納税者だけでなく税理士も対象とし、税理士が予約する場合には、顧問先の氏名・名称、住所、相談内容などが求められる。
 ただし、税理士からの相談は、基本的には税理士会内部で対応してもらう方針だ。国税庁では、一般的な税務相談は税理士自ら解決するよう協力を要請しており、税理士会内部に設置している会員相談室や、国税庁のホームページに掲載されている法令解釈通達・質疑応答事例・タックスアンサーなどの利用を勧めている。
(浅野宗玄、税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2008.11.04
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