>  今週のトピックス >  No.1752
年末調整で質問の多い項目
●  年末調整シーズン到来
  今年も早いもので、年末調整の時期がやってきた。各種控除証明書は既にお手元に届いているだろう。しかし、これらの控除証明書は10月中旬から11月初旬にかけて郵送されるため、中には紛失される方もいる。そこで、今回は年末調整で質問の多い項目についてお送りする。
●  年末調整はスケジュールで管理する
  年末調整の事務手続きをスムーズに行う最大の要因は、資料収集である。そして、時系列に手続きを把握しておくことによりミスが少なくなるので参考にしていただきたい。

(1)11月中旬〜11月末
 従業員に年末調整書類の配布  
 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「配偶者特別控除申告書」
 ☆ポイント! 必ず提出期限を設ける
(2)12月10日ごろ
 年末調整書類の回収・チェック
 (顧問税理士に処理を依頼している場合には、この時点で顧問税理士に書類を渡す)
(3)12月中ごろ
 事前に年末調整データの入力または手計算
(4)12月の最後の給料等
 年末調整にて、所得税の過不足額を精算
(5)平成21年1月10日または20日
 所得税の納付 
 ☆ポイント! 納付額がゼロの場合にも、税務署にゼロで提出しなければいけない
(6)平成21年1月末
 市区町村へ給与支払報告書の提出、税務署へ合計表等の提出
●  「保険料控除証明書をなくしちゃったのですが…」
  保険料控除証明書は10月末ごろ、生損保会社から送られてくる。少し早めに送られてくるため紛失される方もいる。その場合には、契約している生損保会社に連絡をして再発行してもらうことができる。
  しかし、再発行が年末調整に間に合わないときは、翌年1月末日までに提出することを条件に保険料を控除して年末調整を行ってもよいこととされている。
●  「国民年金保険料控除証明書をなくしちゃったのですが…」
  国民健康保険料も国民年金保険料も同じ社会保険料控除だが、国民年金保険料のみ控除証明書が11月上旬に送られてくる。そして、支払った国民年金保険料を控除するには、必ずこの控除証明書を添付しなければならない。こちらも紛失してしまった場合には、社会保険庁に電話して再発行してもらうことができる。
  しかし、再発行が年末調整に間に合わないときは、先程と同様に翌年1月末までに提出することを条件として、保険料を控除して年末調整を行ってもよいこととされている。
参考:社会保険庁の再発行連絡先
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1030.html
●  「妻の生命保険料を払っているのですが…」
  生命保険料控除や損害保険料控除の対象となる保険契約は、給与所得者本人が契約したものだけでなく、その給与所得者が明らかに保険料を支払ったものも含まれる。従って、例えば収入のない妻等が契約している生命保険料等を給与所得者である夫が支払っている場合には、夫の生命保険料控除とすることができる(ただし、保険金または年金の受取人が一定の範囲内のものに限られる)。
●  「旧長期損害保険料と地震保険料の両方ともあるのですが…」
  平成19年に損害保険料控除が改組され、地震保険料控除という名称に変更された。それにより、短期損害保険料控除(控除額3,000円)は廃止され、平成18年3月31日までに契約した旧長期損害保険料(控除額15,000円)と地震保険料(控除額50,000円)が地震保険料控除の対象となった。ただし旧長期損害保険料と地震保険料の両者に加入していても、控除額は最大50,000円が限度となるので、お間違いのないようにしていただきたい。
(今村 京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2008.12.01
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