>  今週のトピックス >  No.1763
50歳代世帯の現状
●  配偶者のいない世帯が1割強
  厚生労働省から、50歳代の世帯の現状を毎年継続して調査した報告が発表された。
  それによると50歳代世帯のうち配偶者がいる世帯は85.7%である。配偶者のいない世帯も1割強いることになる。また親と同居しているのは25.6%。それ以外は別居しているか、すでに親が亡くなった世帯である。
  50歳代で要介護者を抱えているのは男性で8.1%、女性で13.3%である。本人が50歳代であるなら親世代は80歳代であり、要介護の割合が高まる年齢である。介護をしているのは本人または配偶者の母親である。介護されるのは平均寿命が長い女性が大半となる。
●  8割の回答者は健康良好
  50歳代は健康面でも注意が必要な年代である。男性の79.2%、女性の80.7%は「健康状態は良い」と回答している。健康診断の受診率は男女で差があり、男性が75.2%、女性が67.1%である。男性は職場で受診する機会が多いためと考えられる。2008年からはメタボ予防の健診が保険者に義務付けられたため、配偶者も含めて受診する機会が増えると思われる(この調査は2007年11月実施)。男性においても、退職した方や職業のない方は、働き続けている方と比べて受診率が低い傾向にある。
●  無職者は精神的に不安定
  回答者男性のうち、仕事をしているのは90.3%(自営業20.0%、正規社員・役員55.7%など)となっている。50歳代は離職が増える年代層であり、精神的に不安定になりがちである。過去1月間に感じた神経過敏や絶望感についてたずねた問いについては、継続的に就業している回答者(男性)は、「神経過敏」42.8%、「絶望感」22.4%、「うつ状態」39.5%であったのに対して、ここ三年以内に退職した回答者は、「神経過敏」46.2%、「絶望感」33.2%、「うつ状態」44.8%と高くなっており、精神的に不安定になっていることがわかる。またずっと仕事をしていない男性も「神経過敏」55.4%、「絶望感」41.3%、「うつ状態」55.2%と継続的に就業している回答者に比べて高い。一方で女性回答者は就業の有無による精神の不安定の差はあまり見られず、男性は仕事がない、または仕事を失くすことは精神的な影響が大きいことがわかる。
  そのため退職者のうち51.6%が就業したいと考えており、そのうち59.1%が実際に就職に向けた活動を行っている。
出所:厚生労働省「第3回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)結果の概況」
(可児 俊信 潟xネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、CFP®、
米国税理士、DCプランナー)
2008.12.22
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