> 今週のトピックス > No.1818 |
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会社と役員間での金銭貸借は「適正利率」に注意! | ||||
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![]() ● きちんと「金銭消費貸借契約書」を取り交わすこと
企業業績が悪化する中、会社が役員から金銭を借りるケースも少なくない。しかし、会社が役員と取引を行う場合はその手続きがおろそかになりがちなので、第三者と取引する場合と同様に、きちんと「金銭消費貸借契約書」を取り交わし、この契約書には最低限、(1)当事者の氏名、(2)貸し付ける(借り入れる)金額とその交付日、(3)返済期限と返済方法、(4)利息・利率、(5)契約日、を明記することが必要だ。
また、この金銭消費貸借契約書は、取締役会の承認を受けることが必要だ。会社と役員が取引することを「自己取引」というが、自己取引をする場合には取締役会の承認を得ることとされている。取締役会を設置していない会社は、株主総会の承認を得なければならない。 ![]() ● 支払う利息が適正な利率とされる計算
会社が役員から金銭を借りた場合、税務上留意すべき点は、支払う利息が適正な利率かどうかだ。
適正な利率とされる率は、
![]() ● 役員が受け取った利息は確定申告が必要
会社が支払った利息が適正な利率の場合は、会社はその支払った利息を損金算入できる一方、役員が受け取った利息は雑所得とされ、所得税の確定申告をしなければならない。給与所得以外の所得が20万円以下のときは、原則、確定申告は不要とされているが、同族会社の役員がその同族会社から受け取る貸付金の利息や地代、家賃などは、その金額の多寡にかかわらず、確定申告が必要とされているので留意したい。
会社が支払った利息が適正利率よりも高い場合は、会社が支払った利息のうち、適正利率を上回る部分は、その役員に対する給与を支給したものとされ、その部分は通常の給与に含めた上で源泉徴収、年末調整を行うことになる。この適正な利率を上回る部分が定期同額給与に該当する場合は、原則として法人税の計算上損金算入することができる。 また、無利息または適正な利率より低い場合は、原則として適正な利率の場合と同様となる。無利息の場合は支払う利息がないので、法人税の計算上、損金算入される金額もない。 利息を受け取る役員も、原則として適正な利率の場合と同様だ。無利息の場合は受け取る利息がないので、収入金額はないものとされ、確定申告は不要となる。 ![]() (浅野宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
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2009.03.30 |
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