>  今週のトピックス >  No.1845
若者ほど職場外交流を重視する傾向あり
●  8割弱が社内におけるインフォーマルコミュニケーションが重要と感じている
  森ビルが調査実施、発表した「オフィスライフに関する意識調査」の結果によると、約8割が「社内におけるインフォーマルコミュニケーション」を重要と感じており、特に20歳代では85%が重要と回答している。重視の理由としては「新たな情報が得られるから」が最も多く、以下「職場の雰囲気が良くなるから」「気分転換になるから」と続いている。
  「インフォーマルコミュニケーション」とは、スポーツ大会、社員旅行、飲み会、サークル活動、ボランティア活動など、仕事以外でのちょっとしたコミュニケーションのことをいう。年代によって、その重要度には若干違いはあるにしろ、全体的にインフォーマルコミュニケーションの重要性が高いことが明らかとなった。
  この調査は、森ビルが運営・管理するオフィスビルで働くオフィスワーカー限定のメールマガジンの会員に対し昨年11、12月に行ったもので、有効回答数は731人(男性32%、女性68%)となっている。
●  20歳代の3人に2人が今後の機会増加を望む
  社内でのインフォーマルコミュニケーションの機会について、「今後もっと増やしたい」と答える割合は全体で5割を超え、特に20歳代においてその割合は約7割と非常に高く、若い世代ほど社内でのインフォーマルコミュニケーションを求めていることがわかる。
  また情報配信ツール(OFFICE LIFE NEWSというメールマガジン)によりインフォーマルコミュニケーションのきっかけを得られているという割合は若い年代ほど高く、特に女性(67%)の割合が高いことがわかった。
  上記情報配信ツールの活用によるオフィスライフ充実度も女性(80%)の割合が高く、「男性」に比べて情報配信ツールを積極的に活用し、オフィスライフを充実させている「女性」の姿が浮かびあがった。この情報配信ツールでは、森ビルに関連するレストランのオープニングイベントやアートイベント情報などを配信していることもあり、そのような部分に魅力を感じている人も多いことが推測される。
●  企業側の視点で考えるインフォーマルコミュニケーション
  これらの結果をみる限りにおいては、若い世代ほど社内でのインフォーマルコミュニケーションを求めているといえるので、若い人を採用したいベンチャー企業などは採用活動を行う上で、インフォーマルコミュニケーションの充実ぶりも訴え、若い人の採用に工夫を凝らさなければならないのは確かである。
  インフォーマルコミュニケーションが充実していない職場は、社員が早期に退職する理由の1つになる場合も多く、社内の離職率が高くなると在籍している社員も職場外の交流どころではないという気持ちになり、負のスパイラルに陥ってしまいがちである。
  社員規模にもよるが、同じ社内であっても部署が違えば、話をする機会などほとんどないということも多いようだが、このような場合には、企業側トップが積極的に職場外での交流を促進する機会を設けてみるのもよいだろう。ちょっとした飲み会や食事会、あるいはサークル活動など何でもいいので、まずは実行することが重要だ。それらが結果的に社内の活性化につながるとともに、社員個人のモチベーションを高めることにもつながるはずである。時代に合わせた若者の心理面や行動特性を考慮に入れた各企業のアクティブな活動には今後期待したいところである。
出典:「森ビル オフィスライフに関する意識調査」
    http://www.mori.co.jp/img/article/090427.pdf
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2009.05.25
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