>  今週のトピックス >  No.1879
「社員の個人情報」取り扱いのポイントは?
●  社員の個人情報:具体例は?
  平成17年4月から「個人情報保護法」が施行されています。これにより会社には、社員の個人情報について法律とガイドラインに沿った適正な取り扱いが求められています。また、退職者や採用応募者などの情報(雇用管理情報)の取り扱いは、会社にとって特に密接なものといえるでしょう。では、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
  ここでいう個人情報とは、「生存する個人に関する情報」で、「特定の個人を識別できる情報」をさします。社員の「氏名」「性別」「生年月日」「住所」はもちろん、雇用管理のため会社が社員から集めて利用している全ての情報を含みます。具体的には、「賃金」「人事考課」「扶養家族」「健康診断結果」などがこれに該当します。また、「病歴」「収入」「家族関係」などの情報も含まれるので、特殊な情報の取り扱いについては特に注意が必要です。
●  退職者、応募者の個人情報:取り扱いはココに注意!
  この法律とガイドラインは、5,000件を超える顧客や社員の個人情報を取り扱う会社に適用されます。しかしこの基準に満たない会社であっても、万一情報が漏えいした際の社員への被害と、その際の会社の社会的信用の失墜の可能性を考えれば、たとえ法律上の義務がなくても法律とガイドラインに準じた取り扱いが必要でしょう。
   退職者や採用応募者の個人情報についても、社員の個人情報と同様に取り扱う必要があります。そのため、退職者についての社外からの問い合わせに対しては、あらかじめ本人の同意がなければ答えることはできません。また、採用応募者の履歴書や職務経歴書は、採用選考以外の目的で利用することはできません。不採用者に対しては、選考後すみやかに応募書類一式を本人に返却するという対応が適切です。
●  退職者の書類・データ:保存期間の目安は?
  労働基準法では、労働者名簿、雇用契約書、賃金台帳など重要な書類の3年間保存を会社に義務付けています。また個人情報保護の観点では、退職者の個人情報を退職後にコピーやデータを含め返却もしくは破棄するなどの対応が求められています。
  以上のことから、退職者の個人情報については、保存期間3年を目安に保管書類やデータのチェックを行うという対応が適切といえるでしょう。
(野上 幸彦 特定社会保険労務士、野上社会保険労務士事務所 所長)
2009.07.27
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