>  今週のトピックス >  No.1885
今後の副業、76.5%が「やってみたいと思う」
●  副業の一番人気は、FXなどの投資を中心としたネット系ビジネス
  ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社が運営する転職サイト「イーキャリア」は、正社員で現在副業を行っている人と行っていない人にそれぞれアンケートを実施し、計400名の有効回答を得て、その結果と総括を発表した。
  アンケート結果によると、正社員で現在副業を行っている人の副業の内容に関して、最も多かった回答はネット系ビジネス(FXなどの投資)で24.0%。2番目に多かった回答は、同率でネット系ビジネス(ネットオークション)、ネット系ビジネス(アフィリエイト)で17.0%という結果となった。
  いずれにしてもインターネットを使った副業を行っている人が計75.5%にも上るということで、一昔前には少なくなかった肉体労働、引越しの手伝いや警備員などの副業はかなり少なくなっており、時代の変化を感じさせる結果となった。
●  副業収入の平均は月額約4万円
  正社員400名に対し、今後副業をやってみたいかどうか(現在行っている人については、今後も続けていきたいかどうか)を単一回答形式で尋ねたところ、全回答者の76.5%が「副業を行いたいと思う」と回答した。また現在副業を行っていない人では、56.5%の回答者が「副業を行いたいと思う」と回答しており、副業の人気は高まっているといえる。また、副業を行いたいと思う理由としては「収入が減ったから」「不景気だから」という回答が多く、昨年から続く不況の影響が大きく、決して積極的な理由ではない。
  副業に関しては、アンケートによるとやはり土日や祝日に行っているケースが多いが、平日で会社から帰宅後に行っている割合も半数近くを占める。気になる肝心の収入であるが、副業として平均月4万37円ということであり、年間では約50万円程度になる。
●  副業する場合には、勤務する会社のルールの確認が必要
  ここ最近は、不景気の影響もあり一部の大手製造業や関連会社などが、副業を容認するプレス発表をして話題になることもあった。原則としては、会社が副業を禁止しているケースはまだまだ多く、従業員側は、勤務する会社のルールを確認する必要があるのだが、会社が一方的に副業を禁止する法的根拠はない。
  就業規則で副業を禁止している場合も多いが、会社の許可制や届出制にしているところも増えてきている。会社側としては、きちんとした運用をしたいところであるが、なかなか細かい部分まではできていないのが現状のようだ。
  副業を禁止する本来の目的は、社員が副業をすることによって、会社が不利益を被らないよう防止することである。不利益の一つとしては、副業により疲労がたまり、ミスが増え、遅刻や欠勤など勤怠が悪くなるなど本業に影響がある場合が考えられる。
  副業禁止に関しては法的根拠がないのでいくら就業規則で定めているからとして、副業を行っているという事実だけをもって懲戒処分を下すことはできない。しかし競業他社や、関係する知識や技術を利用して働いている場合には、会社は内容によっては損害賠償請求したり、懲戒処分を下したりすることも可能と考えられるので、副業に対する会社の考え方をそれぞれの従業員に周知し、副業を行うことによるリスクについても説明しておくことが必要であろう。
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2009.08.03
前のページにもどる
ページトップへ