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「標準報酬月額」って何? 社会保険料の改定について
●  社会保険料は毎年見直し…定時決定
  「標準報酬月額」とは、納める保険料の金額を決定する際に、計算の元となるものを実際の給料(報酬)等の金額ではなく、区切りの良い幅で区分したものをいいます。
◆東京都:健康保険料額表(平成21年9月分〜)より抜粋
標準報酬 報酬月額
(円以上〜円未満)
健康保険料※
本人負担(円)
等級 月額(円)
17 200,000 195,000〜210,000 8,180
18 220,000 210,000〜230,000 8,998
19 240,000 230,000〜250,000 9,816
  ※介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)には、介護保険料が加わります。
  会社員の標準報酬月額は、通常は入社時に決定されます。しかしその後、昇給や手当額の変動があるのが一般的です。そこで年1回、各社員の標準報酬月額と実際の給与(報酬)とのズレを調整するために、標準報酬月額の改定が行われています。
  これを「定時決定」といい、毎年7月に行われその年の9月から翌年8月まで適用されます。この際には、直近3カ月間(4月、5月、6月)に支給された給与の平均額を元に、新しい標準報酬月額が決定されます。「4月から6月にたくさん残業して給与が増えると、社会保険料が上がるから損をする」などという話を耳にしたことはありませんか? これは、まさに定時決定で標準報酬月額の等級が上がることを指しています。
●  給与額が大きく変動すると…随時改定
  定時決定以外にも、標準報酬月額が改定になることがあります。昇給(または降給)などにより、固定賃金等の金額が大きく変動した場合です。これを「随時改定」といいます。継続した3カ月の給与(報酬)の平均月額を標準報酬月額表にあてはめ、現在の等級に比べて2等級以上の差が生じた場合に、4カ月目から改定が行われます。
  例えば、8月に昇給して2等級以上の差が生じたとすると、8月から10月まで継続して2等級以上の差が生じた状態であれば11月から新たな標準報酬月額へ改定されます。
  逆に大幅に給与が下がった場合でも、3カ月経過後でなければ低い等級への変更はできません。
●  固定賃金の変動とは?
  ここでいう「固定賃金の変動」とは、次のような場合をいいます。
(1) 昇給・降給、ベースアップ・ベースダウン
(2) 役職手当、住宅手当、家族手当などの金額変更
(3) 日給、時給などの金額変更
  また、固定賃金と非固定賃金の例は以下となります。
・固定賃金:月給(週給、日給)、役職手当、住宅手当、家族手当、通勤手当など
・非固定賃金:残業手当、皆勤手当、精勤手当など
(野上 幸彦 特定社会保険労務士 野上社会保険労務士事務所 所長)
2009.08.24
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