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2008年分民間の平均給与は過去最大減少の430万円
●  賞与が前年比6.0%減
  2008年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は429万6千円で、前年に比べ1.7%(7万6千円)減少したことが、国税庁が9月25日に発表した民間給与の実態統計調査結果でわかった。
  前年は10年ぶりに増加した民間給与だが、2008年分は一転して減少、その減少率は2001年の1.5%を上回り過去最大となった。企業業績が悪化したことにより賞与が大きく落ち込んだことが要因とみられている。同調査は、全国の約2万3千事業所、約31万5千人の数値をもとに推計したもの。
  調査結果によると、平均給与429万6千円の内訳は、平均給料・手当が前年比1.0%(3万5千円)減の365万円、賞与が同6.0%(4万1千円)減の64万6千円とともに減少した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は昨年から0.9ポイント減の17.7%となり、ここ5年間続いていた18%台の低水準からさらに低下した。
●  格差大きい民間の平均給与
  男女別の平均給与は、男性(平均年齢44.5歳、平均勤続年数12.9年)が前年比1.8%(9万7千円)減の532万5千円、女性(同44.3歳、9.4年)が同0.1%(2千円)減の271万円となっている。
  平均給与を事業所規模別にみると、従業員10人未満の事業所では344万円となっているのに対し、従業員5,000人以上の事業所では543万円。企業規模別にみると、資本金2,000万円未満の株式会社では388万円となっているのに対し、資本金10億円以上の株式会社では605万円となっている。
  また、業種別では、最も高いのが「電気・ガス・熱供給・水道業」の675万円、次いで「金融業、保険業」の649万円となっており、一方、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の250万円となっている。
  このように、男女別、事業所規模別、企業規模別、業種別の民間の平均給与は格差が大きくなっている。
●  給与所得者総数は増加も給与総額、納税額は減少
  1年を通じて勤務した給与所得者総数は4,587万3千人で、前年に比べ1.0%(44万8千人)増と2年連続で増加したが、給与総額は197兆670億円で、同0.8%(1兆5,226億円)減と減少に転じた。
  給与所得者4,587万人のうち、源泉徴収で所得税を納税している人は全体の83.6%を占める3,837万人で前年より1.1%(44万人)減少した。また、その納税額は8兆5,551億円、納税者の給与総額に占める税額の割合は4.72%だった。納税額(源泉徴収税額)は前年に比べ2.3%(2,024億円)減と2年連続の減少となった。
  なお、年末調整を行ったのは全体の91.7%にあたる4,206万人で、このうち、配偶者控除または扶養控除の適用を受けたのは1,651万人と全体のほぼ4割(39.3%)となる。扶養人員のある人1人あたりの平均扶養人員は2.06人となっている。
 同実態統計調査結果の概要は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2008/pdf/001.pdf
(浅野宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2009.10.05
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