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住宅の新しい保険制度「住宅瑕疵担保履行法」
●  安心して新築住宅を購入するために
  平成21年10月1日より「住宅瑕疵担保履行法」(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)が施行されました。これは、新築住宅を供給する事業者(建設業者・宅建業者)に対して、新築住宅に万一瑕疵が発見された場合に瑕疵の補修が確実に行われるよう、保険の加入や保証金の供託を義務付けたもので、10月1日以降に引き渡された新築住宅が対象です。住宅取得の際のアドバイスにも活かせるように、ポイントを整理しておきましょう。
●  事業者の倒産時でも補償金を受け取るための法律
  これまでも、新築住宅を供給する事業者は「住宅品質確保法」によって、基礎・柱・屋根など住宅の中でも特に重要な構造耐力上の主要な部分、および雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の瑕疵担保責任を負っていました。しかし、平成17年に起きた「構造計算書偽装事件」では大規模な補修が必要になったにもかかわらず、事業社が倒産したために消費者が多額の費用負担を強いられました。この事件をきっかけとして、事業者が倒産した場合でも消費者が補償金を受け取ることができるよう「住宅瑕疵担保履行法」が定められたのです。
●  事業者には「住宅かし保険」への加入義務が
  ところで、瑕疵担保責任とは「契約の目的物に瑕疵(欠陥)があった場合に、これを補修したり、瑕疵によって生じた損害を賠償する責任」のこと。この瑕疵担保責任に備えるため、建設業者や宅建業者は「住宅かし保険」に加入するか、保証金を法務局などに供託することが義務付けられました。保険の場合は、国土交通大臣から指定を受けた「保険法人」で契約し、保険料は保険法人により異なりますが、一戸当たり7〜9万円で、保険期間10年分を一括で支払う掛け捨てです。また、保険料の負担は事業者が行いますが、支払った保険料は住宅価格に含めることもできます。
●  補償金額は2,000万円まで
  住宅に瑕疵が発見された際には、通常、事業者が保険金を受け取って補修を行うことになりますが、事業者が倒産した場合には2,000万円までの保険金を消費者が直接受け取ることができます。また、事業者との間でトラブルが発生した場合でも、保険付きの住宅を取得した人は、全国に設置された指定住宅紛争処理機関(弁護士会)で調停などの紛争処理を1万円という安価な費用で利用できます。
  今後、事業者には新築住宅の建設や販売の際には瑕疵担保責任履行についての説明が義務付けられていますので、お客さまへのアドバイスを忘れずに。
2009.11.16
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