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住宅ローン控除、税制改正を踏まえた注意点
●  平成21年度税制改正における住宅ローン控除の改正
  今年の税制改正では住宅ローン控除が大幅に拡充され、手続き面においても所要の整備が行われている。年末調整も近づいているため、今回は住宅ローン控除の改正点を中心に、適用にあたっての注意事項を解説する。
  平成21年度税制改正においては、住宅ローン控除の大幅拡大が決定された。一般住宅については、平成21・22年居住開始分で最高500万円、認定長期優良住宅においては最高600万円の控除限度額が設定されている(ただし、平成23年居住開始分以降、控除限度額は順次減額されていく)。また、所得税で控除しきれない住宅ローン控除限度額の残額は、所得税の課税総所得金額等の額の5%と、97,500円の、いずれか少ない方を限度として住民税から控除することができるようになった。
●  市区町村への住宅ローン控除申告書の提出が不要に
  国から地方への税源移譲が行われた平成19年にも、平成18年居住開始分以前の住宅ローン控除については、住民税からも住宅ローン控除額を差し引ける制度が整備された。しかし、これは税源移譲という特別な事情によるもので、あくまでその影響を取り除くための改正にすぎなかった。今回の改正で、これまで切り捨てられていた控除限度額についても住民税で控除が受けられるようになるため、これは実質的な減税になる。
  また、これまでは所得税から控除しきれない住宅ローン控除不足額について住民税で適用を受けるためには、市区町村への申告書の提出が要件とされていた。そのため、年末調整のみで課税関係が終了する方についても、市区町村に申告書を提出しなければならなかったが、今年の改正によって市区町村への提出が免除されることとなった。
  自分が住民税から住宅ローン控除の適用を受けられるかどうかは、源泉徴収票を見ればわかるようになっている。源泉徴収票の摘要欄に「住宅借入金等特別控除可能額」という欄がある。その欄に金額が入っている方は、所得税から住宅ローン控除額を控除しきれていないため、控除不足分(上記の限度額あり)を住民税から控除することができる。
●  年末調整時の源泉徴収票作成に注意
  なお、これらの改正については、適用開始時期に注意したい。所得税の控除限度額拡大については、平成21年居住開始分から適用される。そのため、初年度は確定申告における適用となり、今回の年末調整における適用はない。
  住民税における住宅ローン控除の適用も、平成21年居住開始分から適用される(平成18年居住開始分以前の住宅ローン控除は従来通り)。住宅ローン控除において所得税からの控除不足額がある場合には、源泉徴収票に「住宅借入金等特別控除可能額」の記載が必要となるため、年末調整の担当者は十分気を付けたい。
(村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2009.11.16
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