>  今週のトピックス >  No.1941
内定学生は職場の人と“密な関係”、
若手社会人は“距離をおくこと”を希望
●  愛社精神がある人は、若手社会人は約5割にとどまる
  毎日コミュニケーションズは、20代の若手社会人のキャリアとスキルをサポートするサイト「COBS ONLINE(コブスオンライン)」と、学生のための社会人準備応援サイト「マイコミフレッシャーズ」を通じて、若手社会人(入社2〜5年目)と内定学生(2010年4月入社予定)を対象とした『仕事に関する意識アンケート』を実施した。その結果、内定学生と若手社会人の間には、大きな意識の違いが、いくつかの質問でみられた。
  「入社する(今の)会社に対して、愛社精神はありますか?」との質問で、「非常にある」(28.0%)「まあまあある」(56.3%)と内定学生の84.3%が“ある”と回答したのに対し、若手社会人は「非常にある」(7.0%)「まあまあある」(45.6%)の52.6%となり、両者の間で30ポイント以上の差が出る結果となった。
  若手社会人は、入社2〜5年目ということで企業の中でいろいろなことを経験したり、社内のさまざまな状況を知ったりすれば、愛社精神がなくなる人も少なくないのではないかと予測される。またこの不況期では、厳しい社会人生活を送っていると愛社精神なども薄れてきて、余裕もないというのが本音ともいえるだろうか。
●  若手社会人は、職場の人と距離をおきたい人が多い
  次に「先約があるときに、上司から飲みに誘われたらどうしますか?」と尋ねたところ、内定学生は「先約を断って、上司と飲みに行く」と「上司の誘いを断って、先約を優先する」がちょうど50.0%で半数に分かれたのに対し、若手社会人は「上司の誘いを断って、先約を優先する」と回答した人が82.0%を占める結果となった。
  さらに、職場の人との理想的な関係ついて尋ねたところ、内定学生は「職場の人とはプライベートでも仲良くしたい」と回答した人が66.7%と半数以上を占めたのに対し、若手社会人は37.1%と半数に届かず、「職場の人とはプライベートでは距離をおきたい」が62.9%となった。これらの結果から、若手社会人に比べて内定学生は職場の人との深い関係を望んでいることがうかがえた。内定学生は、この不況期に苦労して内定した会社への期待もかなり持っており、これに企業がどのように応えていくのかは課題である。
●  人と人との交流で生み出される大きな価値
  少し前に、ある大手企業で独身寮復活というニュースがあったが、なぜか話題になったことを良く覚えている。最近このような人と人との交流を深め、新入社員と先輩社員の交流の場を積極的につくりだそうとしている企業が増えている。
  中小企業でも社員が自発的に部署内で誕生日会を開催したり、若手からベテラン社員まで全員でのボーリング大会やバーベキュー大会などを企画したりするケースもみられる。
  同じ職場で働いていても、普段仕事で関係がないのでほとんど話をしたことがなくてもこのようなイベントなどがきっかけで、仲良くなることもある。何しろゲームやスポーツやイベントなどひとつのことを皆で行うということは、連帯感を強めて、協力し合うということの重要性を再確認させることにもつながる。
  実際に一緒に働いている仲間のコミュニケーションが深まることで仕事の成果が大きく変わることもたくさんある。協力し合い、理解し合うことで仕事が効率化し、新しいことにチャレンジする時間や自分のための時間が生まれるからだ。これこそまさに「ワークライフバランス」であり、今後、各企業は、継続して成長していくためにもこのような考え方を忘れずに改革に取り組んでもらいたいところである。
参考:毎日コミュニケーションズ『「若手社会人」と「内定学生」の
仕事に関する意識アンケート』調査結果
http://www.mycom.co.jp/news/2009/10/post_77.html
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2009.11.16
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