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「ビジネス・キャリア検定」:職業能力を客観評価
●  ビジネス・キャリア検定制度とは
  企業や労働者を取り巻く環境が大きく変化していくなか、働く者に対する職業キャリア形成について、企業や労働者にはこの変化に応じた対応が必要となります。
  労働者においては、会社から求められる職業能力が多様化・高度化しており、在職者・求職者を問わず着実な職業能力の習得が必要となっています。また企業については、従業員の職業能力の向上を図る取り組みを進めながら、その能力を評価し、自社の適正な人材配置に活かす等の人事諸制度を運用していく必要があります。
  そのため厚生労働省は、このような企業や労働者の置かれた状況にそれぞれが的確に対応できるよう、必要な支援を行うため職業能力習得支援を推進しています。この支援制度として、事務系職種における職務の遂行に必要な専門的知識についての職業能力評価を実施するのが「ビジネス・キャリア検定」制度です。検定では、事務系職務全般を網羅していること、職務の遂行に必要な専門的知識が分野・レベルに応じて体系化されていることが必要であり、これにより職業能力が客観的に評価されるものがビジネス・キャリア検定試験です。
●  労使双方に活用メリットあり
  検定試験は、次の8分野につきおのおの1〜3級のレベル別に分けて実施されます。
 (1)人事・人材開発・労務管理  (2)経理・財務管理
 (3)営業・マーケティング  (4)生産管理
 (5)企業法務・総務   (6)ロジスティクス
 (7)経営情報システム  (8)経営戦略
  最大の特徴は、単に事務系職種に必要な専門知識の有無を問うものではなく、「実務に応用できるか」という視点から行われる点です。そのため出題内容も、企業実務に即した知識・能力が問われます。
  企業ごとに、業態・規模・人事構成等により、事務系職種においても具体的な職務構成は異なっていますが、各試験単位の範囲が大括りになっていること、専門知識の実践的な活用能力を問う試験内容であることから、幅広い企業で職業能力の評価として導入可能です。
<労働者のメリット>
  ・個人主導の能力開発・キャリア形成に活用できる。
  ・転職等、キャリアアップのための職務遂行能力の証明となる。
<企業のメリット>
  ・従業員や中途採用者に対する、客観的な職業能力評価の材料となる。
  ・自社の人事評価制度と連動させ、適切な人材開発や人員配置の指標として活用できる。
  ・企業規模や業種を問わず活用できる。
活用事例等の詳細は、中央職業能力開発協会 http://www.bc.javada.or.jp/まで
(野上 幸彦 特定社会保険労務士、野上社会保険労務士事務所 所長)
2010.01.12
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