>  今週のトピックス >  No.1971
毎日ビールを1本以上飲む女性は乳がんになるリスクが高い
  厚生労働省研究班による「多目的コホート研究(JPHC研究)」から、飲酒と乳がんの発生リスクとの関連を調べた研究の結果が発表された。
  40〜69歳の女性約5万人を、「過去に飲んでいた」「飲んだことがない」「ときどき飲む(月に1−3日)」「週にエタノール換算で150g以下の飲酒」「週にエタノール換算で150gより多い飲酒」の5つのグループに分け、飲酒と乳がん発生との関連を調べた。平均約13年間の追跡期間中に、572人に乳がんの発生が確認された。
●  エタノール摂取量が多いほど、乳がんになりやすい
  飲酒量が多い、つまり「エタノール換算で週150gより多く飲酒」するグループでは、「飲んだことがない」グループに比べて、乳がんリスクが1.75倍(約75%)高いことがわかった。エタノール換算で150gに相当する飲酒量は、日本酒なら約7合、ビールなら大瓶約7本、ワインなら約14杯(1杯120ml)、ウイスキーならダブル約7杯。毎日飲むとすると、日本酒1日1合、ビール1本、ワイン2杯、ウイスキー1杯となる。
●  なぜ飲酒が乳ガンの原因となるのか
  飲酒と乳がんリスクの関連は、動物実験や、主に欧米の疫学研究で、すでに数多く発表され、国際的な評価では飲酒が乳がんリスクを高めるのは確実とされている。お酒に含まれているエタノールが分解されてできるアセトアルデヒドが持つ発がん性、アセトアルデヒドによるDNA合成・修復に必要とされている葉酸の破壊、また、アルコールによる乳がんリスク要因である女性ホルモンなどへ影響といった可能性があげられるが、はっきりとわかっておらず、今後の研究が必要とされている。
  ともかく、節度ある飲酒が乳がん予防につながることは確かなようである。
参考:飲酒と乳がん罹患との関係について
http://epi.ncc.go.jp/jp/jphc/alcohol_bc/
2010.01.18
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