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「日本年金機構」が平成22年1月1日設立
●  信頼される年金業務をめざして
  平成22年1月1日から社会保険庁が廃止され、公的年金業務の運営を行う民間法人として、「日本年金機構」がスタートしました。
  老後の生活の中心となる老齢年金、病気や事故で障害が残ったときの障害年金、家計を支える働き手を失ったときの遺族年金など、公的年金は生涯にわたりわれわれの生活を支える大切な制度です。
  この公的年金業務は、これまで社会保険庁が担ってきました。しかし、年金記録漏れ問題をはじめとするさまざまな問題が明らかになったことをきっかけに、公的年金業務の適正な運営と国民からの信頼回復を図るため、平成19年に「日本年金機構法」が制定されました。これにもとづき社会保険庁を廃止し、国(厚生労働省)の監督のもと年金業務を担う新たな組織として、「日本年金機構」が設立されることになりました。
●  親切・迅速・正確なサービスの提供
  日本年金機構は、特殊法人(非公務員型の公法人)という位置付けで、国からの委任・委託を受けて公的年金に関する業務運営を行います。本部とブロック本部(9カ所)、年金事務所(312カ所)という組織で構成されており、従来の社会保険事務所は「年金事務所」に名称が改められていますが、これまでどおり年金に関する相談・手続の窓口として利用できます。また、「年金記録問題対策本部」が設置され、組織横断的に年金記録問題へ対応していきます。
  業務運営にあたっての基本理念は、次のとおりです。
(1)国民の信頼確保
(2)国民の意見の反映
(3)サービスの質の向上
(4)業務運営の効率化
(5)公正性および透明性の確保

  また、基本理念にもとづき次のような運営方針を掲げています。
・お客さまの立場に立った親切・迅速・正確で効率的なサービスを提供する
・お客さまの意見を業務運営に反映していくとともに、わかりやすい情報公開の取り組みを進める
・1,000人規模の民間企業経験者を採用し、能力実績本位の新たな人事方針を確立、組織風土を変える
・コンプライアンスの徹底、リスク管理の仕組みの構築など、組織ガバナンスを確立する
  なお、公的年金制度そのものは、これまでどおり国が財政責任・管理運営責任を持つことに変わりありません。
(特定社会保険労務士 野上 幸彦)
2010.01.25
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