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男性学生の約9割は出世意欲あり、上司・先輩との飲み会に積極的
●  上昇志向の強い新入社員の気持ちは、時の移り変わりとともに変化
  人材コンサルティングのレジェンダ・コーポレーション株式会社は、2010年4月入社予定の学生に社会人としての意識調査を行った。本調査は、2010年1月14日から1月23日までに、採用支援を行っている企業にエントリーしていた学生に対してインターネット上でアンケート調査を行い、1,083名から回答を得たものである。これによると男性学生の約9割は出世意欲があることがわかった。多くの企業が役職のポストを減らし、課長になれる人も少なくなっているとささやかれている昨今、この上昇志向の強い新入社員の気持ちがどのあたりまで続くのかは大変興味深いところである。
●  男性学生の約7割は、「人よりぜいたくができる収入」を望んでいる
  調査結果によると、2010年4月に入社を予定している大学生および大学院生に、社会人としての出世・収入について尋ねたところ、87.2%の男性が部長以上の出世を希望しているが、女性は、同じ質問に対して36.2%しか部長以上の出世を希望していないことが明らかになった。
  また収入についても71.4%の男性は、「人よりぜいたくな暮らしができる収入」を望んでいるのに対し、女性の出世希望は多様で、収入について最も多かった回答は「人並みの暮らしを維持できる収入」で47.9%となった。
  これらの結果だけを見ても、男性と女性の出世意欲や収入に関する考えが大きく異なっていることがわかる。入社前後においては、男性は決して出世意欲は低くないが、入社後ある程度の期間が経過すると意識が変わっていくことが想定されており、企業側もそれらを踏まえて人材育成していくことが求められる。
●  上司・先輩との飲み回数も、46.6%が「週1回以上が適当」
  さらに、休暇や退社後の観点で、理想の長期休暇日数や上司・先輩との飲み回数について尋ねたところ、長期休暇日数は「6日以内」で満足とする学生が74.3%と、ほぼ4人に3人は6日以内で満足できるということがわかった。
  また、上司・先輩との飲み回数も、全体では週1回以上を適当とする割合が46.6%とほぼ半数、男性に限っては56.8%と半数を超える結果となり、社会人として早く会社に慣れて、身近な上司や先輩との交流を積極的に深めようとする姿勢が伺える。
  2010年4月入社の学生は、厳しい就職活動を経験したこともあって、企業の内定をもらい、仕事ができるという喜びを強く感じている人も多いといわれており、そのあたりも調査には反映されているといえるだろう。また新入社員は、将来に対しての漠然とした不安も感じており、少しでも早く企業に必要とされる人材になるためにも会社内の身近な人との交流の重要性というものを強く感じているともいえる。新入社員の期待を裏切らないためにも、企業はメンター制度などを導入して新入社員のフォローシステムを構築していくことが理想的ではないだろうか。
参考:2010年4月入社 大学生・大学院生の社会人としての意識調査
http://www.leggenda.co.jp/news/20100218_01.html
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2010.03.01
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