>  今週のトピックス >  No.2003
「アレルギー性鼻炎」告知における留意点
  花粉の季節になりました。目や鼻がかゆい方も多いのでは?? ということで今回はアレルギー性鼻炎についてお話します。
●  「アレルギー性鼻炎」とは
  鼻炎とは、鼻粘膜の炎症のことをいいます。鼻粘膜の炎症には「化膿性炎症」と「アレルギー性炎症」が多く、アレルギー性炎症として起こるのがアレルギー性鼻炎です。鼻粘膜のT型アレルギー性疾患なので、アレルギー素因(アレルギーの既往歴、合併症、家族歴)を持っていることが多いのです。主症状は、くしゃみ、水性鼻漏(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)です。別名「鼻過敏症」「鼻アレルギー」「花粉症」ともいわれます。

  アレルギー性鼻炎は発症する時期によって「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」とに分けられます。前者の多くは室内塵、ダニのアレルギーで、後者のほとんどは花粉(特にスギ花粉)アレルギー、つまり花粉症です。
  季節性アレルギー性鼻炎イコール花粉症ですが、アレルギー性鼻炎イコール花粉症ではないことに注意が必要です。アレルギー性鼻炎の全国的な有病率は、通年性アレルギー性鼻炎が約10〜20%、花粉症は約10〜15%といわれています。通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の有病率は近づき、両者の合併患者も増加傾向にあります。

  アレルギー性鼻炎の重症度は、その3つの主症状である「くしゃみ」「鼻水」「鼻閉の強さ」の組み合わせで決められます。
  注意が必要なのは、鼻閉型の重症例です。鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)などの形態異常が明らかな症例、また鼻閉に対する薬物療法の効果が不十分な症例に対して手術が行われるからです。また、鼻中隔弯曲症の他に慢性副鼻腔炎を合併していることもあります。慢性副鼻腔炎には気管支ぜんそくを伴うものもあります。
●  ご契約いただく際には
  お客さまから告知をいただく際のポイントは、アレルギーの原因、加療期間、服用薬剤、通年性か季節性かを確認し詳細を記入していただくことです。
  一部の保険会社では花粉症は告知不要の疾患とされていますが、詳細告知がなく通年性アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎が疑われる場合は、手術給付の請求が起こる可能性があるため医療保険に関しては部位不担保での取扱となるかもしれません。合併症がないことや、治療開始期、治療内容を告知書に記載していただくことが大事です。
(上田香十里 株式会社査定コンサルティング代表)
2010.03.15
前のページにもどる
ページトップへ