>  今週のトピックス >  No.2011
「白内障」告知における留意点 
  白内障の手術は、日本の眼科手術の約半数(年間約80万件)を占めており、医療保険の給付金請求もとても多い疾患です。
●  「白内障」とは
  眼の水晶体はカメラでいえばレンズの役割をしており、中心の核・その周りの皮質と、最も外周の嚢(前嚢・後嚢)で構成されています。成分は蛋白質と水ですが、加齢や紫外線による活性酸素の影響で酸化され、灰白色や茶褐色に混濁した状態になります。この状態が白内障です。自然治癒はありません。
  白内障のほとんどが「加齢性白内障(老人性白内障)」で、全体のおよそ90%を占めます。70歳代で約90%、80歳以上は100%近くの人が罹患します。その他の原因には、先天性のものや、目のけが、糖尿病性、アトピー性皮膚炎の合併症などがあります。外傷性を除けば両目に起こることが多いです。
  <治療法その他>
  ・点眼薬(進行を予防するだけ)
  ・内服薬(進行を予防するだけ)
  ・手術
    水晶体中心の核を超音波で粉砕後吸引し、直径6mmの眼内レンズを折りたたんで挿入します。
    局所麻酔で20分程度の手術で日帰りも可能です。炎症は約2週間で回復します。
●  ご契約いただく際には
  白内障は術後の予後は良好で、失明リスクも比較的少ない疾患です。
  お客さまから告知をいただく際は、ぶどう膜炎や糖尿病などの基礎疾患がないか確認してください。20歳〜30歳代の若い方の場合には、特に原因疾患の有無の確認が必要です。
  通常の加齢性白内障の場合は、生命保険・がん保険であれば現症・既往症を問わず標準体での引受も可能でしょう。医療保険であれば、部位不担保(術後の期間に応じた期間)での取扱いとする会社が多いと思います。片目のみが手術済で、もう一方の目の状態が不明の場合は、現症(治療中)としての取扱となるでしょう。
  加齢性の白内障でない場合は、原因疾患に基づく引受となります。また、その場合には視力障害の程度の確認をしていただく必要があります。
  加齢性(老人性)とはいうものの、白内障の患者さんの10〜20%は40歳代です。「最近少しものが見づらい」と思ったら、早めに眼科を受診したほうがよいかも?!
参考:厚生労働省の白内障ガイドライン
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0012/1/0012_G0000028_0021.html

(上田香十里 株式会社査定コンサルティング代表)
2010.03.29
前のページにもどる
ページトップへ