>  今週のトピックス >  No.2016
エコリフォームで3つの特典
●  住宅版エコポイントとは?
  平成22年3月8日から、住宅版エコポイントの申請が開始された。住宅版エコポイントとは、地球温暖化対策の推進及び経済の活性化を図ることを目的として、エコ住宅を新築またはリフォームした人に対して一定のポイントを発行し、これを使ってさまざまな商品との交換や追加工事の費用に充当することができる制度のことである。仕組みは家電エコポイントと同様で、いったん工事代金の全額を支払い、申請することによりポイントが付与され、そのポイントを商品券等に交換できるというものである。
●  ポイントの発行対象
  一定のエコ住宅の新築またはエコリフォームが対象となる。今回は、既存住宅にエコリフォームを施した場合について説明する。
  エコリフォームの対象となるのは、一定の窓の断熱改修または外壁・屋根・天井・床の断熱改修工事である。これらにあわせて、バリアフリー(手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張)を行う場合は、その分のポイントが加算される。
  加算されるポイントは、1戸あたり300,000ポイント(30万円相当)を限度とする。窓の断熱改修で内窓設置外窓交換の場合は7,000〜18,000ポイント、ガラス交換の場合は2,000〜7,000ポイント、外壁の断熱改修で100,000ポイント、屋根・天井の断熱改修で30,000ポイント、床の断熱改修で50,000ポイントとなる。バリアフリー改修は50,000ポイントを限度とし、手すりの設置の場合は5,000ポイント、段差解消の場合は5,000ポイント、廊下幅等の拡張は25,000ポイントとなる。
  ポイントの申請期限は、平成23年3月31日までとなっている。
●  エコリフォームは税制でも優遇
  省エネ改修工事については税制においても優遇されている。平成21年4月1日から平成22年12月31日までに既存住宅に省エネ改修工事を行った場合、省エネ改修工事に要した費用の額と、一般の省エネ改修工事の標準的な費用の額の、いずれか少ないほうの金額(200万円を上限、太陽光発電装置設置工事の場合は300万円を上限)の10%を税額控除することができる(借入要件はなく、自己資金の場合も可能)。また、ローンありの場合は、一定の条件のもと住宅ローン控除制度との選択適用ができる。
  ちなみに省エネ改修工事とは、30万円を超えるもので、(1)すべての居室の窓全部の改修工事、または、(2) (1)の工事と併せて行う床・天井・壁の断熱工事、太陽光発電装置設置工事のことをいう。
●  固定資産税も減額
  一定の省エネ改修工事を行った場合には、固定資産税(翌年分)についても、120u相当部分につき1/3減額してくれる(平成22年度税制改正で適用期限が3年延長され、平成25年3月31日までとなる予定である)。
  対象となる省エネ改修工事は、(1)窓の改修工事、または、(2) (1)とあわせて行う床・天井・壁の断熱工事で、改修部分がいずれも現行の省エネ改修基準に新たに適合することになるものである。注意点としては、所得税の税制優遇となるのは、すべての居室窓の改修工事であるのに対し、固定資産税の減額については、すべてではないということだ。

  以上をまとめると、すべての居室の窓をエコリフォームした場合、3つの特典(住宅版エコポイント、省エネ改修特別税額控除、固定資産税の減額)を受ける可能性があることになる。
(今村 京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2010.04.05
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