>  今週のトピックス >  No.2018
国民年金被保険者の実態は
  全国の国民年金第1号被保険者を対象に、保険料の納付状況や被保険者の収入、被保険者の国民年金に対する意識、保険料未納の理由などなどについて調査した「平成20年国民年金被保険者実態調査」が厚生労働省より発表された。
●  被保険者の4人に1人近くが滞納
  それによると、調査対象とした国民年金第1号被保険者1,831万6千人の保険料納付状況は、納付者が986万5千人で総数の53.9%(うち完納者が794万5千人(同43.4%)、一部納付者が192万人(同10.5%))となっている。一方、1号期間滞納者が433万人(同23.6%)と被保険者の4人に1人近くが滞納していることになる。
  第1号被保険者の就業状況をみると、「無職」が30.6%と最も多く、次いで「臨時・パート」が26.1%、「自営業主」が15.9%、「常用雇用」が13.3%、「家族従業者」が10.3%となっている。男女別にみると、男性では自営業主、女性では無職に次いで「臨時・パート」の占める割合が高く、年齢階級別にみると、若年齢層では「常用雇用」や「臨時・パート」、高年齢層では「自営業主」の占める割合が他の年齢層に比べ高い傾向がある。
  就業状況別に保険料納付状況をみると、「常用雇用」や「臨時・パート」は1号期間滞納者の割合が高くなっている。
●  納付しない理由は「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が6割超
  滞納者について、国民年金保険料を納付しない理由をみると、「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と答えた人が64.2%を占め、すべての年齢階級において最も高くなっている。また、若年齢層においては「年金制度の将来が不安・信用できない」の割合が高くなっている。
  「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と回答した者の詳細な状況をみると、「元々所得が少ないから」が56.1%、「失業、事故などにより所得が低下したから」が16.3%、「保険料より優先度の高い支出が多いから」が22.2%となっているが、年齢階級別にみると中高年齢層は若年齢層に比べ「失業、事故などにより所得が低下したから」および「保険料より優先度の高い支出が多いから」の割合が高くなっている。
  保険料を納付しないことについての意識をみると、「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」と回答している者は63.1%となっている。これを世帯の総所得金額階級別にみると、「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」とした者の割合は、所得が1,000万円以上で52.5%となっており、その他の階級でも5割を超えている。
  また、所得が高くなるにつれ「制度の意義や有利な点が理解できれば納付するつもり」と考えている者の割合は高くなる傾向にある。
2010.04.05
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