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事務コスト削減のために利用したい「ダイレクト納付」
●  ダイレクト納付利用のメリット
  6月から7月にかけてのこの時期は、さまざまな事務手続きが重なる。来月12日には、源泉所得税の納期特例、労働保険申告、算定基礎届の提出などがあり、今月後半の経理・総務事務は多忙が予想される。少しでもコストを抑えて、効率良く業務が回る仕組みづくりをしていく上で利用したいのが電子納税である。
  通常、源泉所得税を納付するには金融機関へ足を運ぶ必要があり、それだけで時間も人件費も浪費してしまう。それを会社に居ながらにして納付できるのが、電子納税である。
  電子納税には、大きく「ダイレクト納付」「登録方式」「入力方式」の3つがある(「入力方式」は主にATMでの利用)。
  この中で最も便利なのが、「ダイレクト納付」である。「ダイレクト納付」なら、e−Taxソフトを利用することで、ネットバンキングの契約がなくても利用することができる。また、金融機関の窓口で納付する場合には、利用できる時間が限られてくるが、「ダイレクト納付」なら概ね朝8時30分から夜9時まで利用することができる(金融機関により異なる場合あり)。
●  ダイレクト納付利用のための手続き
  ダイレクト納付を利用するためには、まずダイレクト納付に対応した金融機関に口座を持っていることが条件となる。対応金融機関の一覧は下記アドレスで確認できる。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/nozei-shomei/annai/24100030/kinyu.htm
  上記金融機関に口座を持っている場合には、届出書を提出することでダイレクト納付の利用が可能となる。また持っていない場合でも、ネットバンキングの契約をしていれば、別途「登録方式」による電子納税は可能である。
  届出書については、「電子申告・納税等開始届出書」と「ダイレクト納付利用届出書」の2枚の提出が必要となる。これらは郵送による提出で問題ない。「ダイレクト納付利用届出書」には、上記対応金融機関のうち、納税に利用したい口座を記入し、銀行印を捺印する。届出書を提出してから約1カ月で、e−Taxのメッセージボックス(上記届出でメールアドレスを登録済)あてに「ダイレクト納付登録完了通知」が届く。これで正式にダイレクト納付が利用可能となる。
●  e−Taxソフトでの納付手続
  実際にダイレクト納付で納付するには、e−Taxソフトのインストールが必要になる。インストールは下記アドレスから行うことができる。
http://www.e-tax.nta.go.jp/download/index.htm
  最初に利用者情報を登録する際に、上記届出で通知された利用者識別番号等が必要になる。ダイレクト納付は、源泉所得税・法人税・消費税・所得税など全税目で利用することができる。源泉所得税において利用するには、まずe−Taxソフトにおいて納付情報を作成、送信する。その後、メッセージボックスに受信通知が届き、クリックで納付手続が完了するようになっている。
  なお、ダイレクト納付は国税における電子納税であり、地方税には対応していない。地方税は各自治体により対応の有無が異なり、また対応している場合でも別システムで手続きを行うこととなる。利用者の立場からは、上記システムの統合が望まれる。
(村田 直 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2010.06.14
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