> 今週のトピックス > No.2067 |
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「痔」告知における留意点 | ||||||||
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「痔」については、告知書で目にする機会も多いと思います。痔にもいろいろと種類があり、治療方法もたくさんあります。ビールのおいしい季節になりましたが、アルコールのとりすぎは痔によくないそうですよ!
![]() 1. 痔核(いぼ痔)
直腸下部から肛門部にかけて存在する静脈叢(そう)が、排便時のいきみなどの負荷等でうっ血し、コブ状に太くなりいぼ状に盛り上がったものです。内痔核(痔の中で最も多いものです)、外痔核、血栓性外痔核、嵌頓(かんとん)痔核、直腸脱(肛門から、直腸粘膜および直腸壁全層が脱出)などがあります。
![]() 2. 裂肛(切れ痔)
固い便が通過したり、肛門の狭窄が原因で歯状線(*注1)より下方の皮膚が切れます。慢性化すると、肛門ポリープや肛門潰瘍を併発します。
*注1 歯状線:肛門上皮と直腸粘膜の境目 ![]() 3. 痔瘻(あな痔)
歯状線付近の肛門小窩というくぼみの中に細菌が入り感染・化膿したもので、肛門周囲膿瘍(急性期の化膿性炎症)、痔瘻(肛門周囲膿瘍が慢性化)、膿皮症(痔瘻が重症化し膿が臀部全体に広がったもの)があります。
![]() ● 原因
・ 排便時のいきみ・便秘(肛門への負荷や裂肛の原因になります)
・ 下痢(便は柔らかいが、勢いにより肛門に負荷がかかります) ・ 暴飲暴食、アルコールのとりすぎ(血管を拡張させるので、うっ血します) ・ 香辛料(肛門の粘膜を刺激します) ・ 食物繊維不足(硬い便や、便秘の原因になります) ・ ストレス(便秘や下痢の原因や全身の血行不良によりうっ血します) ・ 長時間の座位・立位(肛門のうっ血の原因となります) ・ 体の冷え(血行悪化によりうっ血するので、暖めると効果的です) ![]() ● 治療
どの痔も、基本的には原因となる「生活習慣の改善」が必要です。それに加え、薬物療法(外用薬(軟膏など)・内服薬(軟便剤))、外科的療法があります。
外科的療法には、半導体レーザー(痔核にレーザーを当てて凝固させ小さくする)、結紮切除術(痔核根治術)、PPH(特殊な器具で直腸粘膜を環状に切除して縫い合わせる治療)などがあります。痔瘻については、手術が基本で、単なる切開・排膿では根治しません。 ![]() ● ご契約をいただく際には
どの痔であっても、根治術以外の治療については、再発や手術の可能性があるので、医療保険については一定期間の部位不担保が必要です。死亡系については無条件での引受となる可能性が高いと思われますが、痔疾患と告知があっても、年齢や術式、入院日数等から、直腸がん等が疑われる場合は、引受が難しくなる場合もあります。
お客さまから「痔」と告知をいただいた場合は、できるだけ正確な疾患名と、治療内容の詳細、手術があればその種類を告知していただくことが大事です。 ![]()
(上田香十里 株式会社査定コンサルティング代表)
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2010.07.12 |
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