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「育MEN」プロジェクト〜男性の育児休業取得を応援
●  6月30日施行「改正育児・介護休業法」
  育児をしながら働く人が仕事と生活を両立できるよう、平成4年にスタートした「育児休業法」。その後、平成11年には介護休業が、平成17年には子の看護休暇が制度化されるなど、仕事と家庭の両立支援制度は充実をみてきました。しかし、依然として、仕事と子育ての両立が難しく、仕事をあきらめる女性も少なくありません。また、女性の育児休業取得は当たり前になっている一方で、男性の育児休業取得は依然として少ないままです。
  そこで、今回の改正では、父親も子育てができる働き方の実現を目指し、父親も育児休業を取得しやすい制度に改正されました。こうした中、子育て期間中の働き方を見直し、仕事を続けやすい仕組みづくりと父親も子育てができる働き方の実現を目指した「改正育児・介護休業法」が、平成22年6月30日から一部を除き施行されました。
●  「イクメンプロジェクト」がスタート
  男性の約3割は育児休業を取得したいという希望を持っていますが、実際の取得率は1.72%にとどまっています(厚生労働省「平成21年度 雇用均等基本調査」)。男性が子育てや家事に費やす時間も先進国中最低の水準です。男性が子育てや家事にあまり関わっていないことが、女性の家事や子育ての負担を重くし、継続就業を困難にするとともに、少子化の原因にもなっています。
  いま、子育てを積極的に楽しむ男性が、”イクメン(育MEN)”と呼ばれ注目されています。平成22年6月の父の日に先立ち、イクメンをより多くの人に周知し、男性の育休取得・育児参加を推進するための政府広報事業として「イクメンプロジェクト」がスタートしました。このプロジェクトは、イクメン候補となる子を持つまたは持ちたい男性だけでなく、その妻や、労働組合・企業の人事担当者、NPO、地方自治体等も巻き込んだ参加型プロジェクトです。男性が育児することについての社会的な気運を高め、育児休業を取りたい、育児にもっと関わりたいという男性の希望を叶えるとともに、遅れている男性の育児参加を進め夫婦で協力して子育てをする環境を作ることで、出生率の向上を目指しています。
  また、プロジェクトのホームページ(http://www.ikumen-project.jp/index.html)では、男性がイクメン宣言するコーナーや、イクメンを応援する個人・企業等がサポーター宣言するコーナーなどが設けられ、こうした宣言の内容が見られるようになっています。
(特定社会保険労務士 野上幸彦)
2010.08.02
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