>  今週のトピックス >  No.2093
若手社会人の約6割、ストレスの原因は「社内の人間関係」
●  若手社会人向けの勤務実態調査を企業のマネジメントに活かす
  株式会社 毎日コミュニケーションズは7月29日に、社会人3年目〜7年目の正社員男女457名を対象に、「勤務実態調査」を実施し、その調査結果を発表した。この調査は、対象が若手社会人に絞られており、仕事をしている人の現状を読み取れることもあり、同世代の人にはもちろんのこと経営陣や管理職の方々にも大変参考になるデータである。
  今回の質問のテーマは、ストレス、転職、朝時間の活用などについてであるが、いずれも最近注目されているテーマであり、特にストレスについては、若手社会人の「新型うつ」の増加や精神疾患による労災請求の増加などが注目されており、企業側もマネジメントの視点から、押さえておきたいところである。
●  ストレスを感じている人は、約75%
  調査結果によると、「現在、仕事でのストレスを感じているか」と尋ねたところ、「非常に感じている」(34.1%)、「少し感じている」(41.1%)となり、75.2%の人が“ストレスを感じている”という結果となった。ストレス社会といわれている現代においては、当然の結果かもしれないが、そのストレスの種類によっては、その後のことが心配である。
  ストレスの原因としては、「社内の人間関係」(61.0%)が最も高く、「仕事内容に関する不満」(57.3%)、「将来への不安」(44.8%)と続いた(複数回答)。また、「社内の人間関係」と回答した人に、社内のどの人間関係にストレスを感じるか(複数回答)を尋ねると、「同性の先輩」(45.7%)が最も多く、次いで「同性の上司」(40.5%)と「異性の上司」(40.5%)が並んだ。
  少し従業員規模が大きいところは、同性の先輩との人間関係に苦労するといった声も多いと聞いているが実際にこのような結果が出るととても信憑性が高く、企業側もこれらをふまえて対策をいろいろ練らなければならない。
  「ストレスが原因で会社に行きたくないと思うことはありますか?」との問いには、「週に数回」(26.4%)が最も多く、次いで「毎日」(25.9%)となり、週に数回以上、“会社に行きたくない”と思う若手社会人が5割以上を占めていることがわかった。
●  転職したい理由は、「給料が少ない」がトップで、26.4%
  今回の調査では転職に関しても複数の質問をしている。「あなたは今、転職をしたいですか?」と尋ねたところ、「非常にしたい」(16.2%)、「どちらかと言えばしたい」(31.1%)、「どちらかと言えばしたくない」(36.5%)、「まったくしたくない」(16.2%)となり、「したい」との回答が47.3%、「したくない」との回答が52.7%で、ほぼ半数に分かれる結果となった。
  そこで、転職をしたい一番の理由を尋ねたところ、「給料が少ない」(26.4%)、「やりがいがない」(13.0%)、「人間関係が悪い」(12.5%)が上位を占め、「会社・業界に不安を感じる」「評価されない」「スキルアップしたい」という回答割合は、思ったより低い結果となった。
  給料が少ないという不満は、確かにあるかもしれないが、決してそれだけではないと思われるので結果の表層的な部分だけを見て判断することのないようにしたいところだ。企業側も定着率をアップさせるためには、給料の調整は難しいとしても、社内風土の見直しや職場環境の改善などやれることはたくさんあるので基本的なことをまずは実行していく必要がある。
  また、「転職するならいつまでにしたいですか?」との問いに対しては、「いい話があったら」が35.2%と最も多かったものの、「今すぐ」(15.7%)、「半年以内」(15.3%)、「1年以内」(17.1%)の合計が48.1%にのぼった。これらの結果からいえることは、転職をするならなるべく早くしたいと考えている若手社会人が多いということである。
  若手社会人の思考や価値観は、時代の移り変わりとともに変化してきているが、経営陣や管理職はこのような若手社会人の行動や価値観を理解したうえで、しっかりとマネジメントしていかなければならない。
参考:毎日コミュニケーションズ「勤務実態調査」
http://www.mycom.co.jp/news/2010/07/_cobs_online37.html

(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2010.08.23
前のページにもどる
ページトップへ