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国税庁によるインターネット公売
●  インターネット公売
  国税関係インターネット公売とは、国税徴収法の規定に基づき、滞納国税を徴収するために、全国の国税局(沖縄国税事務所を含む)または税務署において、滞納処分により差し押さえられた財産を、競り売り(オークション)の方法により売却するものである。
  国税庁から委託を受けたヤフー株式会社が、競り売り人として、官公庁オークションサイトにおいて、公売財産の買受申込みの受付を行い、最高額で買受申込みをした者を、税務署が最高申込者として決定し、その者に対して売却決定したうえで、買受人として定める公売の方法である。

  「国税庁レポート2010年版」によると、インターネット公売は平成19年6月から実施されており、平成21年度は、4回のインターネット公売を実施した結果、延べ約7千人の方が参加され、絵画、貴金属、自動車、不動産など約600物件が、約3億円で売却されている。
●  参加できる者
  インターネット公売には次に該当する方を除き、原則誰でも参加できる。
・ 公売財産を所有する滞納者
・ 国税庁、国税局、税務署に所属する職員
・ 公売の参加制限を受けた方 など
  なお、公売財産(農地等)によっては、資格が必要となる場合がある。また、未成年者は参加できないので、親権者等が代理となって参加する必要がある。
●  どのような財産があるのか?
  過去の公売では、土地・建物といった不動産のほか、宝飾品、美術品、家電製品、自動車等さまざまな種類の財産が公売されている。平成22年度第2回について、リゾート会員権、ワイン・シャンパン、収入印紙ほか多数出品予定である。
(下記のサイトにて、公売財産を検索することができる。)
国税庁 http://www.koubai.nta.go.jp/auctionx/public/hp001.php

  土地・建物・着物・宝石など高価なものはイメージできるが、なかにはトロフィーやメダルといった類まで、オークションの対象、つまり差押の対象となっていることに驚かされる。あらためて、納税は国民の義務(憲法第30条)であることを認識せざるを得ない。
●  どうしても税金を期日までに納付できない場合
  長引く不況により、資金繰りの悪化、解雇や給料の減額など思わぬ状況に置かれることがある。このようにどうしても税金を納付することが困難な場合には、まずは所轄の税務署に出向いて相談をされたい。善意な納税者に対しては、分割納付にする方法で対応してくれることもある。
  差押は課税局にとっても最終手段であるため、それ以前には電話連絡や督促状など何度も接触がある。この接触を無視し続けると、差押ということになろう。税金は公共運営の財源であり、インターネット公売は、利便性が高く、より多くの公売の参加者を募ることができるため、差し押さえた財産の高価・有利な売却に役立っていると言えよう。
(今村京子 マネーコンシェルジュ税理士法人)
2010.10.04
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