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労働時間適正化キャンペーン実施〜厚生労働省
  毎年11月は労働基準監督署のキャンペーンが行われます。昨年は、過重労働による健康障害の防止と賃金不払い残業の解消等を図ることを目的に、「労働時間適正化キャンペーン」が全国一斉に実施されました。しかし、依然として長時間労働等に係る問題が認められることから、平成22年度においても、長時間労働の抑制等の労働時間の適正化を図ることを重点としたキャンペーンが実施されます。
●  長時間労働の現状
  労働時間等の現状をみると、週の労働時間が60時間以上の労働者の割合は減少傾向にあるものの、依然として高い水準で推移するなど、いまだ長時間労働の実態がみられます。脳・心臓疾患に係る労災認定件数は、平成21年度には293件にのぼり、過重労働による健康障害も依然多い状況です。また、割増賃金の不払いに係る労基法違反も後を絶たない状況です。
  これらの問題を解消するためには、労働時間を適正に把握し、時間外労働に対する適切な対処が必要です。厚生労働省からは次のような指針(基準)が明示されています。
●  過重労働による健康障害を防止するための措置
(1)時間外・休日労働時間の削減
・時間外労働協定を基準に適合したものとする
・時間外労働の削減(月45時間以下へ)
・休日労働の削減
(2)労働者の健康管理に係る措置の徹底
・長時間労働者に対する面接指導の実施
・健康診断の実施
・健康管理体制の整備
●  賃金不払い残業を解消するための措置
・労働時間適正把握基準の遵守
・適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備
・職場風土の改革
・労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備

  このキャンペーンの一環として、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の各労働局が連携し、フリーダイヤルによる「労働時間相談ダイヤル」が開設され、事業主・労働者からの相談に応じる等の積極的な施策も講じられます。詳細は、最寄りの都道府県労働局、労働基準監督署までお問い合わせください。
(特定社会保険労務士 野上幸彦)
2010.11.15
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