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出稼労働者〜安心して働ける職場づくりの推進
  出稼労働者数は昭和48年度以降減り続けているものの、現在でも約2万2千人が、一年のうち一定期間、家族の元を離れて職に就いています。出稼労働者の就労環境は、近年大きく改善されてきましたが、依然として労働災害や賃金不払いをはじめとした、労働条件、雇用関係などに関する問題が発生しています。また、就労期間中の疾病、行方不明、留守家族問題など出稼ぎに伴う特有の問題もあります。
  最近は、出稼労働者が高齢化を理由として就労先の変更を余儀なくされ、慣れない仕事に就く人が増加するなど、出稼労働者をめぐる就労環境は厳しさを増しています。
  このような背景から、厚生労働省は「出稼労働者が安心して働ける職場づくりの手引き」を作成し、厚生労働省、都道府県、都道府県労働局、市町村等の関係機関を利用しながら、出稼労働者が安心して安全に働けるような職場の環境づくりに向けての取り組みを推進しています。
  おもな内容は以下のとおりとなります。
●  事業主の留意事項
   (1) 採用方法          (2) 労働条件の明確化
(3) 労働時間の適正管理 (4) 有給休暇の付与
(5) 労働災害の防止 (6) 健康の確保
(7) 寄宿舎の安全衛生の確保 (8) 特定業種退職金共済制度(建設業、清酒製造業および林業)
(9) 契約期間中の解雇等
●  出稼労働者とその家族の留意事項
   (1) 出稼労働者手帳の活用
   (2) 出稼ぎ先の状況把握
●  出稼労働者対策
  出稼労働者に関する諸問題を解決するため、厚生労働省、都道府県、都道府県労働局、市町村、ハローワーク、労働基準監督署などが密接な連携のもと、次のような対策を実施しています。
(1) 地元就労の促進対策
   出稼ぎをしなくても安定した生活が確保できるよう、出稼労働者就労支援員による援助・個別求人開拓を実施
(2) 安定した出稼就労を確保するための対策
現地選考を行う求人事業主への支援、事業主に対する適正募集の指導等を実施
(3) 就労先における労働条件の確保対策
出稼労働者手帳を活用した職業相談等を実施
(4) 出稼労働者就労支援員の配置
安全で安定した就労を推進するため、都道府県労働局およびハローワークに出稼労働者就労支援員を配置
詳細につきましては、都道府県労働局・ハローワーク等へお問い合わせください。
出所:厚生労働省HP
(特定社会保険労務士 野上 幸彦)
2011.01.17
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