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税理士収入は「1千万円以上5千万円未満」が4割
〜税理士実態調査・予備調査
●  税理士資格の取得は「試験科目」が5割弱
  日本税理士会連合会が2010年9月15日現在の税理士会員7万1,815人から無作為抽出した7,000人を対象に実施した「税理士実態調査・予備調査」結果(有効回答数3,895会員)によると、2009年における税理士の業務に係る収入金額は、「1,000万円以上5,000万円未満」が41.2%を占めて最多だったことが分かった。以下、「500万円以上1,000万円未満」が20.1%、「100万円以上500万円未満」が17.5%、「5,000万円以上」が12.1%など。
  税理士資格の取得について、取得方法は、「試験合格(全科目)」が47.5%と50%未満ながらもっとも多く、次いで「試験免除」が32.1%、「特試合格(1986年3月31日まで)」が12.5%など。試験免除者における免除された科目(複数回答)は、「税法に属する科目」が49.6%、「全科目」が41.0%。試験免除の要件(同)は、「国税職員」が49.1%、「大学院修了者」が45.6%、「公認会計士試験合格等」が0.9%などだった。
●  書面添付は「添付していない」が7割近く
  電子申告への対応状況は、e-Tax(国税電子申告)では「既に行っている」が69.0%、「近い将来行う予定」が13.4%、「行う予定はない」が16.7%であるのに対し、eLTAX(地方税電子申告)ではそれぞれ40.2%、28.0%、30.0%だった。
  e-Taxを行っていない理由(複数回答)は、「顧問先から要請がない(需要がない)」が56.5%、「設備を備えていない」が32.7%、「知識が不足している」が24.6%だった。
  2009年度における法人税申告件数全体に対する書面の添付割合は、「添付していない」が67.7%と7割近くを占め、「10%未満」が12.9%、「50%超」が9.9%、「10%〜50%未満」が6.5%となっている。
  添付していない理由(複数回答)は、「添付するメリットがないため」が68.8%、「その他」が26.1%。「その他」では、「面倒である」「顧問先が少ないため」「作成に時間がかかる」「制度について研究・検討中」などの回答が多かった。
  書面添付を行ったにもかかわらず、意見聴取を経ずに無予告の実地調査が行われた経験については、「ある」は9.4%にとどまり、「ない」が76.8%を占めている。
●  1割弱が損害賠償請求を受けた経験「あり」
  税理士職業賠償責任保険の加入の有無については、「加入している」が55.9%と5割を超えたものの、「加入していない」も42.7%と4割強にのぼる。加入していない理由(複数回答)としては、「業務の規模にかんがみて不要であるため」が72.6%と突出して多く、次いで「保険料が高額なため」が10.3%などだが、「保険の存在を知らなかったため」と回答した税理士が0.3%(5人)いた。
  過去において納税者から損害賠償請求を受けた経験の有無は、「ない」が88.2%と大勢を占めるが、「ある」とする回答は8.4%と1割弱だった。
(浅野宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2011.01.17
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