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「ねんきんネット」2月28日より始動
●  「ねんきんネット」は、初日からトラブル
  自分の加入する年金の保険料納付状況や将来受け取れる年金額などがインターネット上で確認できる日本年金機構の「ねんきんネット」が2月28日、稼働をはじめた。
  日本年金機構は、これまでも納付状況等をインターネットで閲覧できるサービスを展開していたが、使い勝手がよくなかったこともあり、改善に取り組んでいた。
  そこで内容を充実させて使いやすくしたものが、今回稼動することになった「ねんきんネット」である。今回のシステムは、利用しやすさもあって利用者の増加が期待できそうだが、初日からトラブルが発生し、今後の運用には不安を残した形となった。
●  「ねんきんネット」で確認できること
  「ねんきんネット」では、インターネットでいつでも自分の年金加入記録を確認することができるようになった。このサービスで確認できる年金記録は次のとおりである(なお(1)〜(4)の情報は、概ね1カ月に一度更新される)。
(1) 公的年金制度(国民年金・厚生年金保険・船員保険)の加入履歴(加入していた制度、加入した年月日、脱退した年月日、加入していた期間の月数等)
(2) 国民年金保険料の納付状況
(3) 厚生年金保険に加入していたときの会社名、標準報酬月額、標準賞与額
(4) 船員保険に加入していたときの船舶所有者名、標準報酬月額、標準賞与額
(5) 年金見込額
●  4月以降はIDとパスワード即時発行でより便利に
  旧システムではIDとパスワードの送付に約2週間もかかっており、このあたりは大変不評であったのは確かである。今回の「ねんきんネット」では、これを約5日間に短縮したことで使い勝手は非常によくなった。4月以降は、誕生月に届く「ねんきん定期便」の中に「アクセスキー」が同封され、基礎年金番号と一緒に打ち込めばIDとパスワードが即時発行されるので利便性は一段とよくなる。また未納や重複加入などに早めに気付いてもらえるようにパソコンの画面などにも工夫を凝らしているので、今後は、これらの効果についても検証したいところである。
  気になるのは、パソコンを持っていない人への対応であるが、全国204カ所の郵便局や145の市区町村役場でサービス利用が可能となっている。免許証や基礎年金番号などを提示すれば、職員が代わりに年金記録を印刷してくれるのでぜひ活用してもらいたい。
  政府としてもこの「ねんきんネット」がスムーズに稼動することで、国民の信頼を回復し、もっと年金に対する理解を深めてもらいたいと願っているのではないだろうか。
参考: 日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/pension/kiroku/nenkin_net.html
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2011.03.07
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