>  今週のトピックス >  No.2205
転職理由1位は「給料が安いため」
●  働く理由は「生活のため」「お金を稼ぐため」
  株式会社インテージは、ビジネスパーソン意識調査「仕事に対する意識」を実施、このたびその結果を発表した。この調査は、2011年2月2日〜2月4日に関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の20〜59歳のビジネスパーソン男女800名を対象に、インターネットを通じて行われたものである。
  調査結果によると、「何のために働くか」という質問(複数回答)では、トップの「生活のため」(89.6%)、2位の「お金を稼ぐため」(72.0%)が、他を大きく引き離している。3位以下は、「自分を成長させるため」(31.4%)、「プライベートを充実させるため」(28.5%)となった。
  このような調査は、実施時期により結果も変わってくるが、この厳しい雇用環境を反映している点が興味深いところでもある。
●  20代、30代男性は「キャリアアップ・スキルアップしたい」という転職理由も多い
  「今後、転職したいと思っているか」を聞いたところ、転職志向者の合計が42.1%(1年以内〜いつかは転職したいの合計)に対し、「今のところ転職するつもりはない」は49.4%で約半数を占める。
  年代別で「今のところ転職するつもりはない」が最も多いのは、女性50代で72.0%、次いで男性40代の57.0%。男女とも20代は転職志向者の割合が高い
  転職志向者に理由を聞いたところ、理由のトップは「給料が安いから」(50.6%)であった。次いで「今の仕事にやりがいを感じないから」(34.2%)、「キャリアアップ・スキルアップしたいから」(33.0%)、「会社の将来に不安を感じるから」(30.4%)、「正当な評価が得られないから」(28.0%)と続いている。
  ほとんどの性・年代で「給料が安いから」がトップだが、その他の理由は性・年代により異なる。「キャリアアップ・スキルアップしたいから」は男性20代、30代が高く、「正当な評価が得られないから」と感じているのは男性30代、40代、女性50代、「会社の人間関係が悪いから」は女性40代、50代が高い。
●  転職しない理由は、「辞めても次の仕事を見つけるのが大変だから」が最多
  「転職しない」理由のトップ5は、「辞めても次の仕事を見つけるのが大変だから」(49.1%)、「今の職場の居心地が良いから」(45.1%)、「今の仕事にやりがいを感じるから」(33.2%)、「会社の人間関係が良好だから」(30.1%)、「会社の経営が安定しているから」(24.1%)。
  性・年代別では、男女とも20代、30代は「今の職場の居心地が良いから」、40代、50代は「辞めても次の仕事を見つけるのが大変だから」が最も多かった。
  転職活動をしようとしても、友人など周囲の話を聞いたり、インターネットの情報を見ているうちに、そのあまりにも厳しい実態を知り、あきらめてしまうことも多いようである。
  実際に人事担当者から話を聞いてみると、その厳しさがよくわかる。例えば、従業員数30人程度のごく普通の中小企業にもかかわらず、1人の求人募集枠に100人以上の履歴書が届くところもあるようだ。このような実態を考えれば、転職に消極的になる気持ちもわかるが、自分自身の今後のキャリアやスキルアップを考えた上で、積極的に行動を起こすことも必要ではないだろうか。

参考: 株式会社インテージ ビジネスパーソン意識調査
http://www.intage.co.jp/chikara/02_topics/603/
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、
庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2011.03.22
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